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Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7

 

石田 衣良
価格
単純なストーリーがいい。
 このシリーズは結構どれもおもしろいが、今回の場合、自分の家を放火した少年が出てくる「バーン・ダウン・ザ・ハウス」がなかなかいい。 一人の道を外れてしまった優等生がどんなふうにして立ち直っていくか、...
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石田衣良代表作「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの第7弾。相変わらず微妙な面白ネタ、どっぷり裏社会というほどディープでもなく、普通の人がもしかすると関わるかもしれないくらいの程よいネタ加減だ。あと、いつも思うが主人公をはじめ登場人物が全然歳を取らない感じがする。といっても、作中で主人公の年齢が出たことがないんだけど。。。

(「bk1」より)

ストリートギャングの王、タカシが危機に。タカシのピンチを救うため、グループの内部抗争の原因究明にマコトが奔走するが…。池袋、宣戦布告! いつでも、とんでもないトラブルが潜むI/W/G/Pシリーズ第7弾。

 

 

 

今回は「要町テレフォンマン」「詐欺師のヴィーナス」「バーン・ダウン・ザ・ハウス」「Gボーイズ冬戦争」の4作品。

1話目の「要町テレフォンマン」は振り込め詐欺の話。最近は振り込め詐欺のニュースも少なくなった気がするが、本当に減ってるんだろうか?ストーリーは単純明快で、普通に爽快感があって面白かった。

2話目の「詐欺師のヴィーナス」は絵画詐欺セールスレディの話。騙される冴えない男が最後に見せる男の決断がかっこよかった。最後はエリーとくっつくのかなぁ?なんて思ったけど、実際そうなったらIWGPシリーズっぽくはないな。

3話目の「バーン・ダウン・ザ・ハウス」は連続放火事件の話。一番ミステリーっぽい話。受験に追い詰められて自宅を放火してしまった中学生。保護が解かれて戻ってくると、周辺で放火が相次ぐ。当然のように疑いの目で見られる彼はマコトと一緒に真犯人を捕まえる。最後に放火で怪我を負わせてしまった祖母に謝るシーンはかなり泣ける。

そして最後の「Gボーイズ冬戦争」はお馴染みGボーイズの内紛の話。本の帯に「今度は俺が、キングを守る」って書いてあったので、タカシがかなりピンチなのかと思ったが期待はずれ。。。これなら第1作「池袋ウエストゲートパーク」収録の「サンシャイン通り内戦」の方がよっぽどピンチだったと思う。内紛でタカシと対立するGボーイズナンバー2ヒロトがダメ過ぎ。あれじゃあタカシを追い詰めるなんて到底無理だ。それからシリーズ2作目「少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉」収録の「水のなかの目」で語られた女子高生監禁事件の犯人の弟も登場するのだが、読んだはずなのにどういう話か思い出せない。。。どうやらマコトのせいで兄が逮捕されたってことで逆ギレ復讐しに来たらしい。さらに影とかいう胡散臭いキャラまで出てきたが、何か微妙。微妙と言えばバトルシーンの描写が微妙。これは毎回読んでて思うことだ。