zakky's report

ネタバレ上等ブログ

警官の血 上巻


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★★★★
佐々木 譲
価格
内容が濃い!!
内容がとても濃い作品です。警察官としての三世代の物語に終わらず、日本の社会、犯罪の歴史を交え、個人と組織の葛藤、そして祖父、父親死亡の謎、ラストの爽快感、一気読みの充実度120%。字数は、あまり多く...
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『このミステリーがすごい!』2008年版国内部門第1位作品。上下巻はきついなぁ、ということで見送ってたんだけど、『赤朽葉家の伝説』が思いのほかよかったため読む気になった。これがまたなかなか面白い。 ただ、この上巻は警官親子三代記の初代清二と二代目民雄の警官話がメインとなっており、然したる謎解きはない。物語り全体を包む大きなミステリーが下巻へと引き継がれる。上巻読み終えたらすぐに下巻を読みたくなる上手い構成だ。 全体としてストーリー展開が速く、ある意味あっさりと季節や年代が過ぎ去っている。(みんなあっけなく歳を重ねていくし、死んでしまう。) それでいて物語に一貫性が保たれているため、普通に読んでいてあまり迷わず、突然の再登場人物も結構普通に思い出せたりする。あまり無駄な登場人物はいないといったこともあるが、その辺が非常に読みやすい。

(オンライン書店ビーケーワンより) ある夜、谷中の天王寺駐在所長だった安城清二は、橋から転落死する。志を継いで警官になった息子の民雄だったが、命じられたのは北大過激派への潜入捜査だった?。戦後闇市から現代まで、時代の翳を描き切る警察小説。

第1部は初代清二の物語。終戦直後、定職に就いていなかった清二は子を授かったことをきっかけに警官になることを決意。昭和23年は警視庁が組織整備のために大量採用を敢行。そこに乗る形で清二は警官への道を進むことに。同時期に採用された3人(窪田、早瀬、香取)と意気投合し、この3人が後に二代目民雄に深く関わってくることになる。 清二の妻、田津は警官になった清二に出世は望まず、地元の優しい警官として駐在所勤務を目指して欲しいと願う。そんな願いをかなえるために清二は地道に派出所勤務をこなしていく。 上野警察署に配属され公園前派出所勤務となった清二は園内に住み着く浮浪者集団と上手い距離を保ちながら勤務に励んでいた。そんな最中、顔見知りだった美形の男娼ミドリが変死体となって発見される。この事件が後々まで尾を引くことになる第1のミステリーになる。 この事件から4年後に第2のミステリーが。今度は勤務地管轄外だったが、清二が住んでいる長屋の裏手にある谷中墓地で殺人事件が発生。被害者は10代半ばで美しい顔立ちの鉄道員だった。被害者の特徴からどうしてもミドリの殺人事件との類似性がクローズアップされてくる。 その後、持ち前の洞察力でいくつかの大捕り物を重ねた結果、35歳にして希望通り天王寺駐在所勤務に就くことになる。この時、長男民雄は8歳だった。この駐在所勤務わずか3ヵ月後に運命の第3のミステリーに遭遇。それは上巻プロローグでも書かれていた五重塔の火災騒動。プロローグでは伏せられていたが、この騒動の最中にミドリ殺害事件、鉄道員殺害事件の鍵を握る人物を追うことに。そして、あと少しで追い詰められるというところで清二は殺されてしまった。いや、実際に殺されたかどうかは書かれていないので、正確には殺されてしまったと思われる、といったところ。この清二の死が第3のミステリーで、この作品の最大のミステリーとなる。 続いては第2部。清二の息子、民雄の警官物語となる。清二の不慮の死は火災騒動の最中に持ち場を離れたことが災いし、殉職扱いとはならなかった。そのため、田津、民雄、正紀の母子家庭は貧しい暮らしを強いられていた。父親清二の同期の窪田、早瀬、香取の3人が「血のつながらぬ叔父」として民雄を支援し、民雄は何とか高校を卒業。そして父と同じ警視庁に入ることになる。 成績優秀な民雄は公安部の笠井に目をかけられ、北大の左翼学生グループに潜入捜査官となることに。行き詰る潜入捜査の結果、赤軍派のテロを未然に防ぐ成果をあげた民雄。その後も別の潜入捜査で大きな成果を上げた民雄だが、その代償は大きく不安神経症を患ってしまう。 その後、民雄は静養していた警察機関の保養所で知り合った順子と結婚し、何とか制服警官に戻ることが認められる。結婚後も順風満帆とは言えず、不安神経症が完治しないまま内勤部門で燻っていたが、そこで民雄は自分が警察官になった本当の目的を思い起こす。父の死の真相を知るというのが目的だった。 以上で上巻は終わり。第2部民雄の物語はこのまま下巻へとつながる形になっている。先にあげた3つのミステリーは未解決のままだ。
佐々木 譲
価格
上巻がしっかりとした伏線になった。
 上下巻に渡る佐々木氏の大作「警官の血」であるが、上巻がしっかりとした伏線を引いているので、下巻がしっかりと重厚なドラマとして生きてくる。 欲をいえば、さらにストーリーを先に膨らましてほしかったとい...
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