ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

クライマーズ・ハイ(映画)

原作を読んだばかりですが、早速観てきました。平日夜のレイトショーなのに結構な客入りでした。でもオッサン1人ってのが多かったなぁ。自分もだけど。。。

原田眞人監督といえば、やっぱり『突入せよ!「あさま山荘」事件』を思い出す。この作品もスゴイ好きです。

で、この盛りだくさん原作をどうやって映画に落とし込むのか、結構興味深かったのですが、うまくまとまってました。原作で感じた暗さやマゾさがなく、重さだけを際立たせた感じで個人的には満足でした。

エピソードの端折り方も絶妙で、主要人物をうまく融合して減らしたり、ある人物のエピソードを別の人に移したりしている。お、このセリフをお前が言うのか!なんて思ったのはいくつもあったし。まぁ、こうでもしなきゃ2時間半にまとめきれないだろう。

全体的にはすごくよかったんだけど、エンディングの白河社長のヘタレさだけがちょっと残念だった。





(シネマトゥデイより)
1985年8月12日、乗員乗客524名を乗せた日航機123便が、群馬と長野の県境に墜落、その一報が北関東新聞社に入る。編集部で全権デスクに任命された悠木和雅(堤真一)は記者として扱う一大ニュースに対する興奮を禁じえないが、中央紙とのスクープ合戦や組織や家族との衝突を経て、命の重さに対しわき上がる使命感を覚える。

あっという間の145分。2時間越えを感じさせない、入り込める映画でした。よっしゃ!明日も仕事がんばろう!って思えるアツイ映画ってところでしょうか。

主人公の悠木を演じるのは堤真一。静かに、そして熱く燃える男っぷりはなかなかでした。怒鳴り散らすのも迫力あるし、無言のプレッシャーもいい感じでした。それから県警キャップ佐山を演じた堺雅人も抜群の演技力で、優しい顔と眼光鋭い顔のギャップが印象的でした。あー、ただ、安西役の高嶋政宏だけはちょっとイマイチだったかな。

あとは北関東新聞の大部屋がイメージどおりに映像化されていてうれしかった。事故の第一報のシーンもすごい臨場感。1シーンを切らずに通しで撮影するというハリウッド方式の成果なのか? とにかく大部屋のテンションがそのまま伝わってきました。

他によかったところとしては、あれだけいがみ合ってた編集局の面々が販売局という共通の敵に対して一致団結したり、悠木、田沢、岸の同期3人の協力戦線なんかもなかなかよかった。それと事故遺族の母子が新聞を買い求めに来るシーンとそれがきっかけで悠木が復活したところは最高でした。こういった原作のいいところをしっかり使ってくるところがいいです。

ただ、先にも書いたけど、エンディングで暴君白河社長が急にヘタレっぷりになるところは萎えた。。。それでも意見を曲げない悠木の男っぷりは際立ったけど、なーんか、ちょっと微妙。北関東新聞の面々のその後とかも分からないままだったしね。

あ、それからこれは原作を読んだ時も思ったけど、携帯電話が当たり前の今、ポケベルと固定電話が主体ってのがもどかしい。本当に今は便利な世の中になったなぁ、とつくづく思いました。


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