zakky's report

ネタバレ上等ブログ

 

LAST


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★★★★
石田 衣良
価格
安全な場所にいることの絶対的安心感
読みながら、時折こみ上げてくるこの苦しさはなんなのだろうか?そんなに苦痛になるなら、読まなければいい。読むことから逃げたいのなら、いっそこの本を投げてしまえばいい。……そう思うくらい、時々旨の奥底で...
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4TEEN』で直木賞を受賞した石田衣良が受賞後第一作として発表した作品で、ギリギリまで追い詰められた主人公たちの最後(LAST)の一撃を書き連ねた短編集。 どの話も暗くて重くて底なし沼のような世界が舞台になっているが、なぜか妙にリアルで、読んでいるだけで引きこまれそうな気分になる。 ただ残念なのは、どの話も設定が似ていて、だいたいが金かセックス絡みということ。もう少し違った形での追い込まれ方も見たかったかな〜。それぞれの悲惨な状況にちきんと理由をつけているのは好感が持てるが、理由のない理不尽な追い込まれ方ってのもあるんじゃないかと。まあ、人間が身を滅ぼすきっかけなんて金とセックスぐらいなのかもしれないけど。

(「BOOK」データベースより) 外国人窃盗団に雇われ、通帳から現金をおろす出し子の男が最後に打った手は(「ラストドロー」)。住宅ローンに押し潰されそうな主婦が選んだ最後の仕事とは(「ラストジョブ」)。リアルで凶暴な世界に、ぎりぎりまで追い詰められた者たちが、最後に反撃する一瞬の閃光を描く。明日への予感に震える新境地の連作集。

1つ1つの感想を書いておこう。 ラストライド(LAST RIDE) 製本工場の事業失敗で多重債務を抱えた男の話。闇金の取り立て頻度が減ったと思っていたら、自分の複数の闇金債券がひとまとめにされ、その債券を買い取った会社から家族を売るか自分が死ぬかという無茶苦茶な選択を迫られる。最後に乗り込んだ車の中で、家族は売らないと決心した主人公。結局その先はどうなったのか分からず、、、ちょっと残念だが、やはり一矢報いたと思いたい。 ラストジョブ(LAST JOB) これは借金とセックスの話。ただ、不思議と汚さはない。住宅ローンに追われた普通の主婦が出会い系で知り合った身障者と援助交際をしたことがきっかけで、最後は身障者向けセックスボランティアという天職に就くという話。こういう仕事って本当にあるのかな?つーか、夫が無責任すぎる。。。 ラストコール(LAST CALL) ホラー要素が強い異色作。家族も持たず一人気ままを楽しんでいる男が主人公。出会い系に押されて廃れたテレクラが舞台。テレクラにテレビ電話があること自体初めて知ったが、女性用にテレビ電話付きマンションを無料開放してるってのもなるほどな〜、と思った。まあ、今はもうテレクラなんて見かけないけど、よくできたシステムだったんだな〜、と感心してしまった。で、主人公が受けた電話の相手は、15歳の頃から200人以上の男を相手にしてきたという話上手な20歳の女性。テレビ電話に切り替えてからも話ははずみ、過去に見てきた特殊な性癖の話で盛り上がっていたが、いつしか話はおかしな方向に。。。女は自らの犯した殺人を告白し、そしてカメラの前で首を切って命を絶った。血に染まるモニター映像や死ぬ直前の顔面蒼白な女性の表情など、かなりリアルでホラーな描写だった。 ラストホーム(LAST HOME) 借金に追われ、職も住む場所も失った男が上野公園のホームレスグループに自分の居場所を見つける話。雑誌拾いがホームレスの稼業となっているのは知っていたが、買い取り価格が1冊50円だとは知らなかった。もっと安いと思ってたのでちょっとビックリ。 ラストドロー(LAST DRAW) これ、なかなか面白かったなぁ。借金を抱えた男が外国人窃盗団の出し子(盗んだ通帳から現金をおろす役)になる話。銀行での現金化が予想外に簡単で驚いた。今でこそ振り込め詐欺の対策とかで銀行も厳しいチェックをするようになったが、一昔前は本当にザル状態だったようだ。文庫版あとがきで著者も書いているが、一時期の銀行は預金者の金に実にいい加減な対応をしてきたらしい。最後に身の危険を感じた主人公が取った手段がちょっと無理があったかな。でもまぁ、痛快作だった。 ラストシュート(LAST SHOOT) ベトナムの幼児売春の話。一番重くてキツい話。主人公は医者にカメラマンとして雇われた男。医者は通常の女性が愛せない重度の幼児性愛者で、カメラマン同行でベトナムへ渡り、自分の行為を撮影し、次の渡航までのオナニーネタにするということらしい。初めは仕事と割り切っていたカメラマンだったが、小さい少女との行為を見せられ次第に悩み始める。東南アジアでは幼児売春の相手をするために特殊な漢方で膣を伸ばしたりしてるらしい。。。結局最後の売春相手、5歳の男の子(つーか、幼児なら男でもいいらしい。)に刺されて医者が死亡。何かいい気味だ、とも素直に思えないダークな作品だった。 ラストバトル(LAST BATTLE) またまだ借金漬けの男が主人公。新橋の看板持ちを1日やった日当が、借金返済でほとんど消え、1日千円しか手元に残らない。悲惨すぎる。。。そんなある日、男の債権を持つヤクザから縄張り争いの決着のために一仕事をするよう依頼を受ける。依頼内容はロシアンルーレット。。。縄張り争いがこじれてお互い引くに引けない状況になった2つのヤクザ団体。互いのメンツを保つため、死体の一つもなければ収まらないらしい。というわけで両方の団体から生贄が出てきてロシアンルーレットをすることになった。ロシアンルーレットの前夜、ヤクザの計らいで豪華な食事と高級ソープ、高価なスーツと靴、それから高級ホテルが与えられ、いざロシアンルーレットに。まぁ、予想通りなんだけど、その相手ってのが友人の看板持ちだった。結局、ヤクザに恨みを持つ少年の放火のドタバタに乗じて、どちらも助かり、警察に保護されたけど、ヤクザってそんな甘くないだろう、と心配してしまった。
石田 衣良
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現代社会の一端を垣間見る
この本は7つの短編から構成されている。共通するテーマは「人生の崖っぷちに追い込まれた人々は、どういう行動を選択するのか?」例えば、運転資金に苦しむ町工場主に、闇金からの最後通牒が突きつけられる(『ラ...
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