zakky's report

ネタバレ上等ブログ

 

39 刑法第三十九条


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★★★★
価格
凄い・・・
心神喪失者ノ行為ハ、罰セス心神耗弱者ノ行為ハ、ソノ刑ヲ減軽スル映画を観て久々に“全力疾走したあとのような感覚”を味わった。堤真一鈴木京香が素晴らしい。堤真一は狂気と正気が渾然一体となる難しい役をみ...
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心神喪失と心神耗弱について規定した刑法第39条。精神鑑定の名の元に凶悪犯罪者を放免する悪法だ。その理不尽さは『そして殺人者は野に放たれる』でも取り上げられている。 現在の法曹界ではタブー視されているこの刑法第39条に焦点を当て、現在の司法制度に一石を投じる社会派問題作だ。 実力派が連なるキャスト陣の中でも、特に堤真一の迫力の怪演が光っていた。

(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 森田芳光監督が、刑法第39条(心神喪失及び心神耗弱とみなされた場合の犯罪の不成立及び刑の減免)をモチーフに人間の心の闇を描いた心理サスペンス。殺人を犯した多重人格者の容疑者と、彼を司法精神鑑定する香深の間で息詰まる心理対決が展開する。

ある夫婦の殺人事件から映画が始まる。夫は背中を一刺し、妊娠中の妻は身体や顔を何ヶ所も刺されていた。なかなか痛々しい殺害現場だ。。。 容疑者の柴田真樹(堤真一)は、普段は物静かな青年だが、一度役に入るとその目には狂気が宿る不思議な役者だ。 実は殺害された夫、畑田修は、少年時代に幼女を性的暴行後に殺害し、右手を切り落として自慰の道具に使うという凶悪異常犯罪を起こしたが、心神喪失により不起訴となった過去を持っていた。つーか、なんつーイタイ事件だ。。。この事件の再現シーンがまた目に痛かった。といっても行為自体はさすがに再現してないけど、遺体や殺害現場なんかが再現されてて、かなり凄かった。。。しばらく目に焼きついて離れなかった。。。 ただ、柴田とこの幼女暴行殺害事件に何ら接点がなく、事件の動機が分からないまま裁判がスタート。そして裁判の最中、柴田は突然豹変する。まるで別の人格が現れたかのような異常発言の後、ハッと我に返っていた。こうして柴田の精神鑑定が行われることになった。 鑑定人は藤代教授(杉浦直樹)と小川香深助手(鈴木京香)の2人。どっちも何かうつむき加減でボソボソ話すタイプ。こんなんで鑑定できるのか???ってのが第一印象。で、よく分からん部屋で対峙する柴田と藤代、小川。鑑定って密室でやるものなのか、部屋にいるのは3人だけ。こんな何しでかすか分からんヤツと部屋にこもるのは怖いなぁ、、、と思いきや、いきなり柴田が豹変。言わんこっちゃ無い。。。 目に狂気が宿ったと思ったら、机を飛び越し藤代をなぎ倒して小川の首を抑える。ギャー、マジ怖え。。。 ん? それにしては何だか藤代も小川もそれほど慌ててない??? さすがはプロ、こういうサイコ野郎には慣れている、というか、元々この交換人格をおびき出すことが彼らの狙いだったみたいだ。 で、藤代教授の精神鑑定の結果は「解離性同一性障害」、いわゆる多重人格というヤツ。この結果、検事(江守徹)は不起訴を決意。検事としては起訴した以上、有罪に持ち込まなければ出世に響く。こうした心神喪失による無罪が見えている事件は、自らの保身のために不起訴としてしまう。 ところが助手の小川には別の見方があった。柴田は詐病、つまり、多重人格のフリをしているのだと考えた。理由は交換人格に襲われた時に殺意を感じなかったからだと。うーむ、見た感じでは目がかなりイってたし、結構ヤバそうだったんだけど。。。 で、今度は小川による再鑑定が始まる。ところが小川は鑑定だけではなく、何か事件の捜査みたいなことを始める。警察の捜査の結果、接点がないと思われていた畑田の過去の事件(幼女暴行殺害事件)なんかも追ったりして、何かとっても仕事熱心だ。 そして徐々に詐病のカラクリが見えてくる。最大の謎だった柴田と畑田の接点だが、何と、柴田は本当は殺された幼女の兄、工藤啓輔だったことが判明。多重人格者になりきるために専門書を何冊も読みまくり、戸籍を偽るために何年も別人を装ってきたのだ。さらに元の工藤啓輔の戸籍を他人に貸し、貸した相手には、自分の恋人を妻として預ける徹底ぶりだ。そして、この偽装結婚を受けた工藤実可子(山本未来)にも執念のようなものを感じた。特に最後の最後で、殺人鬼の演技をし通せなかった柴田に対して、呆れた目で見ていた実可子には工藤以上の執念深さを感じた。まぁ、ワケの分からん男と偽装結婚生活をさせときながら失敗しやがって、みたいな感じだろうか。。。 事件の全貌が見えた小川は検事に依頼して裁判の場での公開精神鑑定を行う。公開精神鑑定の場で、柴田が専門書の知識だけで多重人格のフリをしていることを逆手に取り誘導する。小川の狙い通りにおびき出された交換人格(演技してるだけ)だったが、最後の最後で小川に危害を与えることができず、それによって多重人格が演技であることがばれてしまう。柴田は裁判長に自分は工藤啓輔であること認め、これまで刑法第39条だけが論点となっていた裁判は、やっと本題の事件に焦点が当たることになった。 実際のところ、通常の人が多重人格のフリをできるのだろうか? この映画での小川の発言や、『そして殺人者は野に放たれる』でも書かれているが、精神鑑定なんて鑑定人の主観ひとつだとすれば、精神鑑定にまで持ち込めさえすれば、後は相当なヘマをしない限りイケルのでは???と思ったり。。。 精神鑑定がそこまでザルだとは思ってないが、科学的根拠がない精神鑑定を元に、裁判の論点がずれたり不起訴になるなんてのはやっぱり許しがたいことだと思う。何とかして欲しい。。。 ・39 刑法第三十九条@映画生活