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ネタバレ上等ブログ

涼宮ハルヒの溜息

ハルヒシリーズ、さっそく2作目。。。やべぇ、かなりハマった。。。

 今回は前作『涼宮ハルヒの憂鬱』から半年ほど経過した秋、文化祭の話。いや、文化祭の準備の話か。今回のSOS団はハルヒの思いつきにより文化祭で自主制作映画を上映することになる。その撮影ドタバタストーリーといったところか。つーか、ますます『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』じゃないか。

 例によってハルヒの常識ハズレのパワーが炸裂し、キョン以下SOS団のメンバーが疲れ果てるという構図だ。

 まぁ、前作のインパクトが凄かっただけに、それと同等の衝撃はなかったけど、普通に面白かった。ハルヒのツンデレっぷりも相変わらず絶妙だし、宇宙人・未来人・超能力者の対立構図なんかも見え隠れして、次巻以降への伏線も盛りだくさんだ。

 ぬおぉぉ、、、早く次が読みたい。

 

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)
谷川 流
角川書店
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(「BOOK」データベースより) 宇宙人未来人超能力者と一緒に遊ぶのが目的という、正体不明な謎の団体SOS団を率いる涼宮ハルヒの目下の関心事は文化祭が楽しくないことらしい。行事を楽しくしたい心意気は大いに結構だが、なにも俺たちが映画を撮らなくてもいいんじゃないか?ハルヒが何かを言い出すたびに、周りの宇宙人未来人超能力者が苦労するんだけどな―スニーカー大賞“大賞”を受賞したビミョーに非日常系学園ストーリー、圧倒的人気で第2弾登場。

さて、今回は、いや前回もだが、朝比奈みくるがカワイそうなくらい大変な目に合っている。映画撮影のためとはいえ、すごい恥ずかしい格好(キョン曰く、完全無欠100%フルーツ果汁なまでのウェイトレス姿)で市内を練り歩かされ、さらに本人も知らないうちに目から本物の殺人ビームとか出しちゃうし、、、 ピチピチウェイトレスのコスプレってだけで十分恥ずかしいのに、池に落とされ、スケスケ(キョン曰く、マッパよりヤバイ状態)になっちゃうし、、、 そのみくるだが、谷口によると彼女は北高の天使様、男子学生の拠り所とのこと。うーむ、そうだったのか。そういえば、谷口がAAランクプラスと最高評価を与えていた朝倉涼子は実は宇宙人でキョンを殺そうとしたっけ、、、 みくるも実は、、、ってことはないのだろうか? あの殺人ビーム、「昨日はごめんなさい。あたし、知らないうちに化学兵器を発射してたみたいで・・・」って言ってたけど、実は知っててやってたってことはないよな?(汗) 何か古泉によれば、朝比奈みくるがこんなカワイそうな立ち位置で愛らしい姿なのはキョンを篭絡するためらしいし。実は計算高い女なのか??? とまぁ、朝比奈みくるの話はこれくらいにしておいて、次は長門有希のことを。谷口によれば長門も隠れファンが多いらしく、谷口自身も彼女が眼鏡をやめたのを残念がっていた。キョンがいうところの眼鏡属性ってヤツだな。

 ちなみに彼女はクラスでほとんど喋らず、彼女が一言でも喋るとその日はいいことか悪いことが起きるとさえ言われてるとか。ある意味すごい存在だ。

 前作ではイマイチ彼女のよさが分からんかったのだが、今回は何となく分かってきた気がする。異常なまでの無口、無表情、無感情な彼女が、クラスの出し物で着る黒マントとトンガリ帽子を気に入って(るかどうかは不明だが、、、)着ていたのはなかなか愉快だった。彼女にも着るものの好き嫌いとかってあるんだろうか??? そういえば前作で休みの日に不思議探索に集まった時は唯一私服じゃなく制服で来てたっけ。

 それに最後の方ではキョンに対して迷うような表情も見せたり。実は無表情を装っているだけなのか、と思った。いや、それともハルヒ達と付き合うようになって徐々に感情が芽生えてきたとか??? それから古泉についても少々。彼は相変わらず爽やか笑顔で小難しい話を延々と喋っていた。前作の人間理論とかは結構好きな話だったけど、今回のは正直ウザかったなぁ、、、 面倒だからちょっと読み飛ばしたが、重要な話だったらどうしよう(汗) その古泉によれば、宇宙人、未来人、超能力者、はたまた他の勢力は、常に血みどろ抗争を繰り広げているとかいないとか、、、 うーん、古泉も最後は冗談だと言っていたが、どうなんだろう。。。 そういえば、みくるも古泉の言うことは信用しない方がいいとかってキョンに告げ口してたしな、、、 SOS団は仲のいい集まりに見えてたんだが、実はハルヒという重力に引き寄せられて微妙なバランスで成り立っているのかもしれない。

 まぁ、この辺は次回以降、さらに明らかになってくるんじゃないかと思っている。最後の方に伏線っぽく出てきた話だし。

 というわけで、暗い話はこれくらいにしておき、今回のメインの話題、映画撮影について書こう。ハルヒの思いつきによって、映画を作ることになるワケだが、みくるが未来からやってきた戦うウェイトレス役で、古泉が超能力少年役、そして長門が宇宙人役というハルヒの絶妙なまでの配役が明らかになる。まぁ、ここまで絶妙な配役になったのは、実はキョンがハルヒに3人の正体を教えていたからだ。といってもその場ではキョンの言うことを全く信じていなかったので、教えたことにはならんのだが、、、 それでもちょっとは願望というか引っかかりというか、何かあったのだろう。

 ハルヒが腕章をいつもの「団長」から「監督」につけかえ、日を追うごとに「大監督」、「超監督」と自ら格上げしていくのだが、そのボルテージの上昇に合わせて、超常現象を巻き起こし始める。どうやら映画の世界でこうあって欲しい、というハルヒの願望が現実世界に反映されているようだ。普通の土鳩が白い鳩や絶滅したリョコウバトになったり、秋なのに桜が満開になったり、猫がしゃべったり、、、メチャクチャになる。リョコウバトといえば伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』を思い出すな。

 で、古泉はこの異常事態の収拾には、ハルヒに現実と映画の区別をつかせる必要があると。ハルヒも当然そんなことは分かっている筈だが、どこかで願望があり、それが現実化していると。なので、それを収めるにはハルヒ自身に映画と現実は違うということをはっきりと認識させ、そういう映画にしなければならないという。古泉は映画のストーリーを夢オチにすれば全てが丸く収まるというが、ハルヒが映画のストーリーを夢オチにするなんて了承するはずもなく、、、 そこで、キョンの起死回生の解決策が炸裂。それは、映画のエンディングにハルヒ自身のナレーションで、「この物語はフィクションであり実在する人物、団体、事件、その他の固有名詞や現象などとは何の関係もありません。・・・」と入れること。しかも二度も言わせて、最後はハルヒが「あたりまえじゃないの」とまで言い切っている。このオチは本当に見事。夢オチよりもさらにきっちりと明快に解決した。

 思えば、このハルヒの実在化パワーはすごく、毎月1度のクラスの席替えでも、毎回キョンの後ろの席になるらしい。キョンを好きなのは周知の事実だが、なぜに後ろ??? 普通は隣同士を希望するよな。後姿フェチとか後頭部フェチなんだろうか。。。

 それにしても、今回の実在化パワーで一番ヤバかったのは前述のみくるビームだろうか。実際、キョンは死にかけたし。長門の咄嗟の機転でビームの出本であるカラコンを奪ったから事なきを得たが、、、 そういえば、粒子加速砲とか凝集光とか、あとは荷電粒子砲、反陽子砲、ライフルダート、マイクロブラックホールとかいろいろ名前が出てきたが、どれもよく分からんかった。。。いろいろあるんだなぁ。

 さっきも書いたセリフだが、みくるのこのセリフはほんとウケた! 「昨日はごめんなさい。あたし、知らないうちに化学兵器を発射してたみたいで・・・」 うーむ、こんなセリフを言って許されるのはみくるくらいじゃないだろうか。何せみくるの飲みかけのウーロン茶は「神のウーロン茶」らしいからな。

 やべ、何かいろいろ書きすぎた。長い、、、まだ書き足りないんだが、、、 えっと、みくるの友達で鶴屋さんってのも出てきたな。何かこれまた美少女。つーか、この本、女の子は軒並み美少女なんですが、、、 まぁ、鶴屋さんの場合、美少女+天然ハイテンションというスゴイ組み合わせだが、、、 友達のみくるが困っていても結構楽しんでいる。タイプは違うがハルヒに似た感じがする。けど、どうやら彼女は普通の人種みたいだ。例のまだ出てこない異世界人ってワケでもなさそうだし。つーか、ちょっと思ったのは異世界人ってのはもしかして、読者のこと???と思ったんだが。んなワケないよな。そのうち出てくるんだろうな。 あ、ちなみにこの鶴屋さん、旧家のお嬢様のようだ。あまりお嬢様っぽくないのだが。

 それから、今回の一番萌えポイントを書き残しておこう。前述の鶴屋さんハルヒと共謀して、みくるの飲み物にテキーラを仕込む。で、酔っ払ったみくるに傍若無人な振る舞いをするハルヒに対し、キョンがキレるわけだ。

 今まで何だかんだ文句を言いながらも自分に味方してくれたキョンが本気で怒ったことで、ハルヒが落ち込んでしまう。 で、結局はキョンが折れて部室に声をかけにいくと、ハルヒはどうやらキョンの好きなポニーテールにしていたようだ。キョンがきてすぐに解いてしまったが、、、 うーん、さすがはツンデレ姫。分かってらっしゃる。

 最後に気になるポイントを書いておくと、、、やはり、宇宙人、未来人、超能力者のそれぞれの関係が今後どうなっていくのか。

 古泉の説明によれば、長門は他の宇宙人端末(古泉たち『機関』は「TFEI端末」と呼んでいる)と違って何かあるらしいし、みくるも愛らしい女の子を装っているだけらしい。でも、前作で出てきた大人版みくるも正確は悪くなさそうだったが、、、 一方、長門の説明によると、みくるがこの時代にやってきた目的は、ハルヒを誘導して、みくるのいた未来時空間を守るためだという。確かに古泉の説明とも一致する部分がある。みくるは愛らしい女を装って、唯一ハルヒを制御できるキョンを篭絡している、という筋書きだ。ただ、前作でみくるがした時間概念の説明がしっくりこない。みくるはこの時間平面で何をしてもみくるのいた時間平面には何の影響も及ぼさないと言っていた筈だ。そして、これもみくるがウソをついていたと考えると辻褄が合ってしまうのだが、、、 マジでヤバイ女なのか???(汗) それからこれで本当に最後なんだが、、、三毛猫のオスが貴重だってのを初めて知ったよ。どうでもいいか。

 

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