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ネタバレ上等ブログ

この私が合格させる!4年生・5年生編―中学受験マザーズの超リアル奮戦記

この私が合格させる!―中学受験マザーズの超リアル奮戦記』の続編。

 といっても6年生時代がメインだった前作に対して今作は4年生・5年生編ということで、時系列的にはこちらが先。

 前作では描かれていなかった風子と花夫が中学受験を決意した経緯が描かれている。6年生になってからも紆余曲折って感じだったけど、4・5年生時代も負けず劣らずだ。風子も花夫もそれまで全くと言っていいほど勉強とは無縁の子供だったため、起動になるまでは大変そうだった。

 まぁ、今回は前作で結果を知ってるので、読者的にはドキドキハラハラはなかったが、、、

 

(「MARC」データベースより) ブログから飛び出した中学受験交換記第2弾。今回は4~5年生までの2年間を取り上げ、中学受験の世界に足を踏み入れたその瞬間からのあれこれを綴る。子どもの「やる気」を引き出すアイデアや「一緒に勉強」のノウハウ満載!

 

 風子の受験勉強の歴史は3年生になったばかりの6月に遡る。父が見つけた新聞広告の日能研オープンテストを受けたのがきっかけ。今はなき成績優秀者向けの賞品(ゲームソフト)に食いつきテストを受けたがいいが、それまでまともな勉強をしてこなかった風子は入塾もぎりぎりという散々な結果に終わる。

 元々自分も中高一貫校出身でいずれ風子にも受験をと思っていた風月は、そのぎりぎりで得た入塾権で4年生(実学年は3年生の2月)から風子を日能研に入塾させる。

 入塾後初のカリテ(カリキュラムテスト)で再び散々な結果となり、母親の風月が慌てて受験モードに切り替えるも、娘の風子の方は相変わらずのマイペースぶり。こうして風月と風子の過酷な戦いが始まる。 思えばこの風子は、前作ではすでに偏差値60前後をキープしていたので、元々それなりに勉強してきた子なんだと思っていたが、彼女も底辺からのスタートだったようでこれには少し驚ろかされた。

 一方の花夫はというと、母親花鳥が仕事最優先のワーキングマザーで、いずれは中学受験をと考えていたが、仕事にかまけて全く準備をせず、5年生から四谷大塚にいそいそと通い出す。

 さっき風子を底辺からのスタートと書いたが、花夫の方が凄まじかった。しかも1年遅いスタートだし。。。 日本地図を開いて「どっちが北?」の質問に対して、伊豆半島辺りを指さして「ここらへん」という回答には父親も唖然としていたし。

 科目によっては受験者数とほぼ同数の順位だったりして4科目偏差値はなんと33。5年生でこれはちょっとヤバいだろと思ったが、この後怒涛の追い上げが始まる。

 

 と、こんな感じで前作で花夫と風子の成功を知っている自分は、よくぞここから這い上がったもんだ、と人の子ながら感慨深くなってしまう。当時の花鳥と風月のメールが公開されていたが、その中に風月が6年生の母親の気迫に触れ、自分は冷静に淡々としていたいなんて書いていた。その結果は前作を読めば分かるワケだが、それはもう大変なことになってしまう。。。

 やはり中学受験というのは家族の一大イベントなんだと再認識させられた。 どちらもかなり低いところからのスタートだったので、少し勉強すればある程度は伸びる。が、やはり途中で壁にぶち当たる。風子は寝てても勉強の夢を見てうなされるし、花夫もライバルにおいてかれて悔し涙を流す。。。

 こんな思いまでして、それでもやらなきゃいけないことなのか?と親は悩むが、それでも行きたい学校があるからと諦めない子供たち。そんな二人を全力でフォローする花鳥と風月。この辺は完全にドラマだ。 ドラマといえばもっと信じ難いことも書いてあった。風子の成績が上昇したのをきっかけに、風月はママ仲間からシカトされたという。本当にこんなことってあるんだ。。。女ってマジで怖いなぁ、と思った。男女差別じゃなく、これは男にはできんと思う。

 さてさて、そうこうしているうちに5年生の後半。母親二人もとにかく頑張る。まだ実力の伴わない子供のために志望校の過去問や難問問題集を解いてみたり、塾の先生に面談を申し込んでは学習計画を見直してみたり、、、

 まぁ、前作で二人とも意中の学校に無事入れることを知ってるので、安心してみていられたが、そこに至るまでには本当に辛く厳しい道のりだったんだなぁ、と改めて思った。

 そして、この二組の受験生親子の軌跡を改めて思い返すと、花夫の描いたニワトリの絵じゃないけど、とにかく頑張ればニワトリだって空を飛べるかもしれないと思わされる。あ、理科が苦手な花夫はニワトリは飛べるものと思って描いていたらしいが。。。

 「おわりに」で花夫と風子の近況報告があった。「親がかりで受験勉強をした子は中学に入ってから行き詰まる」という話は少なくとも花夫と風子には当てはまらないようで、中学2年になった二人は元気に学校生活を楽しんでいる様子。もちろんこれはこの本が出版された2006年の話で、今はもう高校生活を楽しみつつ、大学受験の準備に入っている頃だろう。まさか、、、『大学受験編』なんて出ないよな?(汗)

 

 

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