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「R25」のつくりかた


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2004年7月1日、リクルートが誇る超有名フリーマガジン「R25<http://r25.jp/>」が本創刊を迎えた。あれからまだ5年しか経っていないのが少し意外。創刊直後は品薄状態が続き、ちょっとした社会現象にまで発展したと記憶している。

自分は当時渋谷に勤務していて、創刊のことは電車の中吊り広告で知り、創刊号は渋谷でゲット、その後もしばらくは欠かさず入手していたと記憶している。ピンポイントでライトな内容が自分にもヒットしていた。

この本を読んで改めて思ったが、最近R25を見かけない気がする。どうやら2009年6月頃に配布場所の効率化のため、一時4000カ所以上あった配布場所を1950カ所に減らしたらしく、そのせいかもしれない。。。ちょっと残念。


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(「BOOK」データベースより)
情報感度がとても高くて、一見クール。でも、一皮むけば結構熱い―こんないまどき男子の心を読み解き、首都圏で大好評のフリーマガジン「R25」。プロジェクト立ち上げから、読者の本音に迫るリサーチ、編集方法やクロスメディア展開に至るまで、前編集長がその秘密を語ります。

本書はリクルートでR25事業を立ち上げた著者がR25制作にあたって実践してきたノウハウを披露する内容。マーケティング中心で事業化ノウハウとは趣旨が異なり、個人的には少し期待はずれ。ただしタイトルが「つくりかた」となっているので、ある意味嘘は言ってないと思う。

R25は、広告やテレビ業界で「M1層」と呼ばれている20歳から34歳の男性をターゲットとしたフリーマガジン。新聞、雑誌をはじめとしたいろいろな活字メディアへの入り口的な役割として、ペーパーポータルという位置づけをコンセプトにしている。

この”ペーパーポータル”にしても、ホットペッパーの”クーポンマガジン”にしても、リクルートはこういったネーミングセンスがすばらしいと思う。

ちなみにこの事業はリクルート社内の20代半ばの2名の社員が発案者で、著者は社内異動で突然この事業の責任者になったらしい。著者自身も最初は99.9%無理だと思っていた事業化も、役員の発破でエンジンがかかり、というかお尻に火がつき、とにかくターゲットとなるM1層にインタビューをしまくったという。

インタビューを何十人何百人とこなしていくうちに、著者自身がM1層になりきることに成功。それをM1のイタコ化と呼び、編集などで迷った際の拠り所にしていたようだ。この辺は徹底的なマーケティングの勝利かと。

そういえば、マキシマイザーとサティスファイザーという心理学の面白い話が出ていた。何かを購入する時、いろいろ比較検討するマキシマイザータイプは結果的にいいものを選択できるが満足度は低くなり、あまり比較検討しないサティスファイザータイプはいいものを選択できないのに満足度が高くなるという話。まぁ、最高を追い求める人は最高のものでないと満足できないし、何も考えなければほどほどで満足できるってのは分かる気がする。あれ?この話、一体この本のどこで出てきたのか??? うん、まぁいいや。

他にもR25の面白い話としては、R25らしさの象徴、ランキン&レビューの800字フォーマットの話があった。文字数統一のフォーマットは、スキマ時間でもサクッと読める量ということで、当初は読者側の立場に立ったものだったが、結果的に編集も楽になるという二重の効果を発揮したらしい。というか、これってホットペッパーでも1/9サイズ固定営業とかやってたけど、それに通じるものがあるな。

それからR25では外すことのできないクロスメディア広告の話も興味深かった。センセーショナルな創刊で知名度はあったが、広告がバンバン入るかというとそんなに甘くないという。そして、そういった中で著者が考えたのが、編集と広告の垣根を減らしていく試みで、裏表紙を模倣表紙にするというアイディア。そういえばこのタイプのR25を初めて目にした時はその斬新さに結構驚いた記憶がある。実際この方式は好評で、クロスメディア広告の一つの完成形になったと自負していた。

多くのターゲット層から方向性をつかみ、外部のライターやデザイナーとの連携も重視し、フリーペーパーだからこそ公共性や信頼性を重視した編集を心がけているという著者。現在は編集長業務を後任に引き継ぎ、自らはR25全体を仕切るゼネラルマネージャとして活躍しているという。これからのR25ブランドの方向性にも注目したい。


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