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成果を生む人が実行している朝9時前のルール

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』『(同) 実践編』で有名なスーパーサラリーマン美咲栄一郎氏のセルフブランディング啓蒙本。

タイトルから今流行の朝活本かと思ったが、朝活よりもセルフブランディングにスポットを当てた内容。その中で朝を有効活用することの有用性を説いている。

すごく丁寧に書かれていて、物腰柔らかい語り口調はスーッと頭に入ってくる。それほど難しいことを言ってるワケではないので、これならできそうだと思ってしまう。だからこそ支持者も多いのだろう。

成果を生む人が実行している朝9時前のルール
美崎 栄一郎
大和書房
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(オンライン書店ビーケーワンより)
朝9時前の時間を活用して成果を生み出そう! 朝の時間の使い方をスイッチする方法、個人名刺のつくり方、ナマの情報と人脈を集める朝食会活用法などを伝授する。


著者の美咲栄一郎氏は化粧品メーカーの花王に勤務しながら、社会人の勉強会等のイベント運営、著作活動、さらにはメディアにまで登場しているスーパーサラリーマン。最近も日経ビジネスアソシエNHK『めざせ!会社の星』で見かけたので、他にもいろんなメディアに登場しているんだろう。

そんな美咲氏のセルフブランディング論なので、同じサラリーマンとして興味深く読んだ。


■まずは朝活について
序盤は朝活について。といっても朝4時とかいった超早起きを強制する内容ではないのでホッとひと安心。まずはいつもより早く起きて、自分がやりたいことをやろうといった内容。始業前の時間は会社のために使うのではなく自分のために使うのだと。

通勤電車で日経新聞を読んだり、仕事関係の雑誌を読んだり、ってのは自分のためではなく会社のための行動だ。そうではなく、もっと自分が本当にやりたいことをやるべきだと説いている。なるほど、ONとOFFの区別ってヤツ。そして、始業前はあくまでもOFF、始業後は自分に時間を与えてくれるより奪っていくことの方が多いと。確かに。。。

で、朝早く起きて自分の好きなことやってどうすんの?って話だが、これがセルフブランディングにつながっていく。セルフブランディングって結局は自分が何者なのか、ってのを明確化していくことなので、好きなことやるのが一番早いわけだ。

とはいってもセルフブランディングってのは一人では完結しない。自身を客観的に見るのは難しいし、人との出会いによって人間は変わっていく。なので朝の時間を人と会うあめに使おう、という話。まずは月に1回、社外の人と会うことを目標にするといいらしい。


■そしてセルフブランディング
中盤はサラリーマンでもできるセルフブランディングということで、個人も企業がやっているようなブランド戦略を進めていこう、という話。

企業で言うところの「商品」に当たるものを「タグ」と呼び、これを思いつくだけ書き出して図にまとめる。そしてこれらのタグの組み合わせがその人の個性を形成するワケだ。タグはその人の一部ではあるけど、その人の個性全体を形づくっていくもの。このことを意識してタグ自体を成長させることが、自身の成長につながるとのこと。

著者のタグ成長の例として、「朝食会参加者」→「朝食会主催者」→「著者をゲストに」→「自分自身も著者に」といった流れが出ていたが、なるほどタグの成長で結果が出ているワケだ。

それから相手によってタグの組み合わせを変えることも有効。これは企業でもターゲット戦略として普通にやっていることだ。


■名刺と朝食会でセルフブランディング実践
終盤は実践的な内容として名刺と朝食会について説明している。

まずは名刺。個人名刺の注意点を2つ挙げている。1つは情報過多になること、もう1つが抽象化しすぎてインパクトが弱くなること。何でもかんでも詰め込みすぎはダメだし、一般的なタグの羅列じゃ印象に残らない。確かに、趣味が読書と映画ってだけでは印象に残らないが、作家○○の本が好き、□□監督の映画が好き、と具体化されると印象に残りやすい。

このような名刺ノウハウとそれを具現化した数々のアイディア名刺を写真つきで紹介している。著者自身の名刺だけでなく、著者がこれまでに交換してきた名刺もたくさん出てくる。マインドマップを使ったり、免許証や馬券に模した名刺など、タグを文字として印刷するのではなく、名刺自体がタグを具現化している。百聞は一見にしかず、、、

最後は朝食会について。ここは朝食会に限らず勉強会などでも応用できる内容だ。著者自身が実践している内容の紹介で結構目から鱗的な内容もあった。

先日読んだ『勉強会へ行こう!――「会社を辞めても困らない人」になるスピード成長法』と重なる部分もあるが、また別のやり方や考え方が発見できた。



というわけで、こんな具合にスーパーサラリーマンの技を出し惜しみせず披露している。全て実行というわけには行かないが、普通のサラリーマンも十分マネできる内容だ。

美咲氏はかなりハイペースに著作を出しているが、ネタ切れはしないのだろうか、、、と心配してしまう。よく似たような内容のビジネス本を多数出す人を見かけるが、そうならないで欲しい。


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