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zakky's report

ネタバレ上等ブログ

 

告白(映画)


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湊かなえの衝撃のデビュー作『告白』をよくぞここまで忠実に映画化してくれた。

原作のストーリーの完成度と映画化シナリオの絶妙さがばっちりかみ合っている。原作はあの形式なので話の流れ、特に時系列的なところを読者が頭の中で補完しながら読み進める必要があった。それが映画ではうまく編集されていて、ストーリーを純粋に楽しむことができる。とはいえ、隠すべきところはきちんと隠されているので、要所要所ではちゃんと驚ける。見事なシナリオ化だと思う。

そして作品の完成度を高めたのが、松たか子木村佳乃の名演。特に木村佳乃の溺愛ママの壊れっぷりは見事というしかない。

原作のレビュー 告白 - zakky's report


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(「シネマトゥデイ」より)
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……。

印象的な牛乳のシーンから始まる。そして、担任森口悠子(松たか子)の告白が始まる。原作と同じだ。ただ、生徒たちの学級崩壊並みにうるさい。いや、今の中学校ってあんなもんなのか? 最初はこんなうるさくて森口の告白が伝わるのか? ってか、松たか子の弱々しさに森口を演じきれるのか?という心配になったが杞憂だった。「HIV」 この言葉が森口の口から発せられた途端、あの騒がしかった生徒が一瞬にして静まる。 そして「愛美はこのクラスの生徒に殺されたのです」と続き、犯人を少年Aと少年Bとしつつも、ほぼ名指しで犯行内容を告白。さらに牛乳へのHIV感染血液混入で告白完了。 この時のクラスのパニックぶりは素晴らしかった。

森口が去った後、クラス替えもなく中2に進級したこのクラスを担当することになったのが寺田良輝(岡田将生)だ。名前を文字ってウェルテルというニックネームで自分を呼ばせる。しかも生徒たちをファーストネームで呼ぶウザイ教師。実は最後のクレジットを見るまで中村獅童だと思ってた。岡田将生中村獅童、、、あれ?全然似てないか。。。

そして少年B下村直樹(藤原薫)の母親優子(木村佳乃)の名演。中学生の息子を「ナオくん」と呼び、殺人に加担した息子の手を握り、悪い友人に巻き込まれて可哀想などと言ってのける溺愛ママっぷりは見事。そして直樹の登校拒否から始まる壊れっぷり演技もよかった。何かもう人間崩壊状態ってあんな感じなのかな?という演技だった。

一方の少年A渡辺修哉(西井幸人)は変わらず登校し続ける。と、クラス内でイジメ発生。クラス委員長の北原美月(橋本愛)はクラスの崩壊ぶりを森口に伝えたり、自身も修哉を庇ってイジメの対象になり、無理やり修哉とキスさせられたり。。。 イジめる側は修哉のHIV感染疑惑にビクビクしつつも正しい知識もなくキスをしたら感染してしまうかも、、、なんて本気で思ってるやつら。にも関らず修哉とキスをさせる、というのは本当に残酷なイジメだ。このアホ生徒達の残酷さは少年Bの直樹に対しても牙を剥く。

ウェルテルが登校しない直樹を励まそうと色紙寄せ書きを書こうと生徒に提案すると、アホ生徒どもは元気づけるような言葉を書く。。。が、これがヒドイ。うろ覚えだけど、こんな感じ。「人はみんな、孤独じゃない。ロクでもない世の中だけど、幸せになろうよ。信じよう!ネバーギブアップ」 この言葉の一番最初の文字だけを大きく書いて、反時計回りに書き連ねた色紙。下村家のリビングに飾られていたが、ある時、母優子が目立つ先頭の文字だけを続けて読んで驚愕絶叫。。。「人殺し死ね」 色紙を書いてるシーンで気がついてはいたけど、この木村佳乃の驚愕絶叫シーンは見て、不覚にも背筋がぞわわーって来てしまった。 このエピソードって原作には無かったのかも。ちょっと覚えてないが。

その後も基本的に原作どおりに進み、エンディングも原作どおり、修哉が自ら作った爆弾を修哉が自らスイッチを押して、修哉の最愛の母を死に至らしめる。森口の「私にも聞こえましたよ。大切なものが壊れる音が。パチンじゃなくてドッカーンでしたけど。」のセリフは見事すぎる。松たか子の全くブレない復讐名演技はこのシーンを含めて本当に素晴らしかった。

でも、最後の「なーんてね」ってのが気になる。血液混入と同じくブラフなのか? そうであっても今回は修哉が完全に落ちたから復讐達成というこだろう。だいたい冷静に考えてみると、修哉が作った爆弾で修哉がスイッチを押したのは確かだが、爆弾を修哉の母親のオフィスに置いたのは森口であって、それがバレれば森口も逮捕されるはず。でも体育館で爆発して生徒大量殺戮よりはマシだけど、、、 ま、復讐のためなら森口は逮捕くらい何とも思わないだろうけど。 原作にはない最後の「なーんてね」をあえて入れたってことはブラフなんだろうなぁ。


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