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フェルマーの最終定理

たけしのコマ大数学科』にも出演されている中村亨教授の著書。表紙やタイトルの軟弱さとは裏腹に中身は非常に難しい。サイモン・シンの名著『フェルマーの最終定理』と比べてしまっては可哀想だが、ちょっと難しすぎる。

やはり数学者の直接の説明は難しいので、その難しい内容を一般人向けに易しく説明してくれるブリッジ役が必要だと感じた。

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Amazon.co.jp「内容紹介」より)
「あたしの名前は、フェルマーの最終定理!」
360年間、誰も証明することができなかった数学の難問「フェルマーの最終定理」を美少女に擬人化。通称「フェル子」と呼ばれる彼女と、コスプレが趣味という少女のオタッキーでコミカルなふれあいを描いたストーリー漫画を楽しみながら、自然に歴史的難問の意味と数学的価値を学ぶことができる。
解説ページでは、人気テレビ番組「たけしのコマ大数学科」でおなじみの中村亨氏が、「フェルマーの最終定理」が証明されるまでの経緯を物語仕立てでわかりやすく語る。

「萌えて愉しむ数学最大の難問」というサブタイトルの通り、この本の半分は萌えマンガに費やされている。マンガの作者は『ろりーた絶対王政』を出している三島くるみ。

このマンガが最初はビミョーと思った。というのも、このマンガのせいで中村教授の数学ページが減り、肝心の数学部分の説明が分かりにくくなっているのだと思ったからだ。それくらいとにかく分かりにくい。。。

が、少なくともマンガ部分はよかったと思う。「フェルマーの最終定理」を擬人化するという発想が奇抜で素晴らしく、さらに、エンディングまでの一連のストーリー展開も見事だった。フェルマー自体が登場するってのなら普通なんだが、定理の方が擬人化して登場ってのは意外だった。他にも「ゲーデル不完全性定理」「ガロア群」が何かよく分からん生き物として登場したりして、萌えるかどうかはともかく、一応数学マンガという形にはなっている。

結局、数学本としても萌え本としても中途半端になってしまった感は否めないが、最後のワイルズが証明にこぎつけた辺りの話はかなりドラマチックに書かれていて、再びあの感動を味わうことができた。ここはよかったと思う。


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