ホームレス100人へのインタビューの記録。決して同情心を煽ったりする書き方ではなく、ただ淡々とホームレス達の言い分を伝える書き方。悪くないと思う。
ただ、ホームレス達の言い分が甘っちょろいというか、、、ちょっと普通じゃありえないほどのダメダメさ。別にホームレスになりたくてなったんじゃないとは思うが、少なくともここに出てきた人達はなるべくしてなったという感じがした。真面目にやっているホームレスの人もいるはずなのに、こういう本が出てしまっていいのだろうか?
とにかく、ほとんどの人が甘えすぎ。家族や知り合い、事故や事件といったきっかけがあるんだけど、そんなの普通に乗り越える人が大半だと思う。(オンライン書店ビーケーワンより)
家族が冷たくて、気が弱くて、学歴がなくて、ギャンブルにはまって…。これまでに取材したホームレス100人を、仮名・写真付きで紹介。その境涯に転落したきっかけを12の原因に類別し提示する。
中には自分の年収分くらいの借金を親姉弟に肩代わりしてもらっときながら、「助けてもらって言うのも何だが、そんなふうに甘やかすからいつまでも本人は懲りないんだよ」と丸で他人事の発言。これには呆れた。。。
あと医療扶助が支給されないのは診断書に軽作業なら就労可と書いた医師が自治体とグルになってるとか言ってるやつもいるし、、、
ただ、東京大空襲で幼少時に天涯孤独になって小学校すら行ってないって人がいたけど、この人は逆によく生きてきたなぁ。戦後の物不足時にたった一人で食べ物を盗んだりして生き延びてきたらしいけど、、、 こういう人って戦災孤児ってことで国が何とかしてくれないのかな?
あとクモ膜下出血や脳梗塞で一流だった料理人や理容師が職を失いホームレスになってしまった事例はちょっと気の毒だったかな。
変り種ホームレスとしては、東大や早稲田大学を卒業した人も。この世代で大卒って言ったら結構すごいのでは? 特に早稲田卒の人は強烈で、60歳の時に占いで「あなたの人生はあと2年で終わる」とか言われたのを鵜呑みにして、それだったら好きなこと(図書館に籠もっての読書三昧)だけしてたら金が尽きて部屋を追い出されたって、、、 ちなみに既に66歳。ワイシャツにネクタイを締めていて、まだまだ長生きしそうな感じだったw
面白かったのはホームレスの食べ物。よくコンビニ弁当が思いつくが、それで喜ぶのは昨日今日ホームレスになったばかりの素人だと。長年ホームレスをやってる人は有名寿司屋や割烹から出る”バケツ残飯”を狙うんだとか。新鮮(?)な食材を一流料理人が調理したものの残飯だから美味なんだと。そういえば、似たような話は映画『県庁の星』にもでてきたなぁ。
他にもギャンブル依存症、アルコール依存症など、いろんなパターンのホームレスが出てきたけど、本当に同情できるのは一握りだった。
宝島社
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