ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

クローズZERO

高橋ヒロシの大ヒット漫画『クローズ』のオリジナルストーリーの映画化。原作主人公、坊屋春道登場以前の鈴蘭高校の動乱を描いている。

いわゆる不良映画というヤツを久しぶりに見た気がする。『ビー・バップ・ハイスクール』世代としては懐かしくも、あんまり変化がないなぁ、というのが率直な感想。

あ、小栗旬は短ランがとてもよく似合ってました。

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(「シネマトゥデイ」より)
偏差値最低、品性最悪の不良学生が集まる鈴蘭高校では、多数の派閥が覇権をめぐって勢力争いを繰り広げていた。現在の最大勢力は、3年の芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”だった。そこへ、鈴蘭制覇を本気で狙う滝谷源治(小栗旬)が転入、鈴蘭OBで早秋一家矢崎組のチンピラ片桐(やべきょうすけ)と友人になり、勢力を拡大する。

鈴蘭男子高等学校は入学式でバトルロイヤルが勃発するほどの超不良高校。これまで多数の不良を輩出してきた不良エリート高校だが、鈴蘭史上未だ学校全体をまとめ上げて番長の座についた者はいない。

その鈴蘭で3年A組の芹沢多摩雄(山田孝之)、辰川時生(桐谷健太)、戸梶勇次(遠藤要)らが統率する芹沢軍団が校内最大勢力として鈴蘭制覇を目論む中、滝谷源治(小栗旬)が同学年に転入してくる。源治は父英雄(岸谷五朗)が成せなかった鈴蘭制覇を果たせば、父の持つ劉生会をもらう約束をしていた。

源治は転入早々、鈴蘭OBのチンピラ片桐拳(やべきょうすけ)と知り合い、いろいろと相談にのってもらう関係になる。しかし、実は片桐は父の劉生会とは敵対関係にある早秋一家矢崎組の組員で、片桐はそのことで苦悩することになる。うーん、不良が裏でヤクザともつながってるってのはどうなんだろう。まぁ、チンピラなら普通の話なのかもしれないが、、、

喧嘩は強いが人付き合いが苦手でどうやって鈴蘭制覇をすればいいか分からなかった源治だが、片桐という参謀を得て、鈴蘭制覇に動き出す。まずは自身が転入したE組を従えるべく田村忠太(鈴之助)を一方的に叩きのめし、C組の牧瀬隆史(高橋努)には合コンのセッティング、さらにD組伊崎瞬(高岡蒼甫)には卑怯な不意打ち・集団暴行にも怯まない根性を見せ付けることで仲間へと引きずり込んでいく。こうして源治率いるG.P.S.(GENJI.PERFECT.SEIHA)は瞬く間に芹沢軍団を凌ぐほどの勢力になっていく。この辺りの勢力増強への道のりはなかなか面白い。ただただ喧嘩で従えるのではなく、時には拳で、時にはハートで、といった感じなのがよかった。あと個人的には牧瀬の合コンの話は笑えた。

さて、一方の芹沢も負けていない。芹沢を襲いに来たB組の三上学(伊崎右典)豪(伊崎央登)兄弟を1人で返り討ちにして芹沢軍団に統合し、さらに戦力を増強する。そして芹沢軍団の頭脳といわれる戸梶が裏で動き、伊崎が不意打ちで襲われると、源治は我を忘れて暴れ始める。G.P.S.の頭としての自覚を失った源治に対し、牧瀬はこれ以上ついていけない、と一時は突き放すも、頭を冷やした源治に牧瀬は再びついていく。この牧瀬の男気は結構好きかも。

そんな中、源治が出入りするライブハウスで歌う逢沢ルカ(黒木メイサ)が拉致される。戸梶の工作により阪東秀人(渡辺大)ら武装戦線によるものと誤解した源治らG.P.S.は武装戦線のたまり場へと駆けつける。伊崎と牧瀬の「あいつが右向きゃ、俺たちも右向くしかないだろ」「だよな」がG.P.S.の結束の強さを表している。一方の芹沢軍団はNo.2の時生が解離性脳動脈瘤で入院している間に戸梶が暗躍し、勢力は最大でもチーム力としては今ひとつの状態に陥っていた。

武装戦線のたまり場でひと悶着があった後、ルカを救出したG.P.S.はとうとう芹沢軍団と最終決着へと挑む。最終決戦の舞台は鈴蘭。曜日はよく分からないが学校は休校日か何かだったんだろう。そう思いたい。決戦の場に出向くまでに徐々に人数が膨れていく両雄。豪雨の中、源治が傘をさっと捨てると、後ろの面々もざっと傘を捨てる。現実にはありえないけどすっごい絵になる。

決戦当初は数的有利で芹沢軍団が押していたが、阪東ら武装戦線が突如乱入し、G.P.S.側につくと戦況は互角になる。最後はおあつらえ向きに源治vs芹沢の一騎打ちとなり、ぎりぎりのところで源治が勝利を収める。その間、周囲の面々は見ているだけだったが、だったら最初っからタイマンだけにしとけば傷も浅くてすんだのに、、、とか思ったり。まぁ、不良界の不文律があるのかもしれないが、その辺のことはよく分からない。

さてさて、このG.P.S.vs芹沢軍団の戦いと並行して、もう一つのストーリーが展開されていた。冒頭のシーンに繋がるストーリーなのだが、源治の相談役の拳が命を賭けて源治を守ったという話。拳は親分である矢崎丈治組長(遠藤憲一)からの源治殺害の指示に背き、極道の掟として組長直々の処刑を甘んじて受け入れていた。が、最後に組長から餞として貰ったスーツが実は防弾チョッキって。。。まぁ、粋な計らいってヤツでしょうか。えっと拳が死んでないの明らかに下の者も見ているんだけど、示しはつくのかな?

そして源治は晴れて鈴蘭制覇!と言いたいところだったが、鈴蘭にはまだまだ芹沢以外の猛者がいるってことで、エンディングではリンダマンこと林田恵(深水元基)に挑んでました。リンダマンはマジ強すぎるわ。

原作主人公、坊屋春道が転校してくる1年前のストーリーということで、このリンダマンの他、原作でお馴染みのキャラも多数登場している。武装戦線阪東はもちろん、桐島ヒロミ(大東俊介)、ポンこと本城俊明(橋爪遼)、マコこと杉原誠(すぎはら まこと)も登場している。オリジナルストーリーといっても原作にも通じているため、原作ファンにとってはたまらない作品じゃないかと思う。

久しぶりの不良映画、続編はもちろんのこと、この勢いで『ドロップ』なんかも見ちゃおうかな、と思った次第。


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