ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ドメイン失効から何とか復活させてみました。2年くらい間が空いてしまいましたが、また読書などを感想を中心に書いていこうと思ってます。ただ映画感想はここじゃなくおれブログの方で書くつもり。

というわけで、記念すべき復活一発目のエントリーは堀江貴文著『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』です。なかなか刺激的で楽しめました。

実は今、Kindle Paperwhite の購入を迷っていて、とりあえずはiPhoneKindleアプリで電子書籍を体験してみようと思い、Kindleストアを見ていたら、ゼロが書籍版よりKindle版が400円近く安かったので選択した次第。つーか、彼の著作はKindleだと安いのが多い気がするな。他の本は数十円程度のディスカウントなのに、彼の本は数百円とか本によっては半額程度まで安くなっている。たまたまセール中なのかな???


Amazon.co.jp 内容紹介より)
内容紹介
誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。

【本書の主な目次】
第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない
おわりに


「ゼロ」とは何ともシンプルなタイトルだ。2年6ヶ月の実刑判決を受け、これまで築いてきたものが全て失われたけど、でもマイナスじゃない。元のゼロになっただけだ。そしてゼロになった自分だけど、そこにまた小さなイチを足していく。そのために働きたい。そういったシンプルかつストレートな衝動を書いている。


ホリエモン前夜

前半は幼少時代から有名になり時代の寵児と持て囃されるまでの自叙伝的内容。

これまで勝手に抱いていた堀江貴文像とは違う部分も多かったし、なるほどなぁと思った部分も多かった。家庭環境は少し特殊なのかもしれないが普通の家庭。自宅にあった本は百科事典のみで、情報に飢えていた彼はそれを最初から最後まで全巻全項目を通読していたという。この辺はやはりタダモノではないと思った。

小学校の勉強は退屈すぎて先生の勧めもあり進学塾に通い、中高一貫の久留米大学附設中に進学。その頃パソコンと出会いプログラミングを習得。当初、中学でもトップクラスの成績だったが、パソコンに夢中になるにつれ勉強を全くしなくなり、最下位に近いレベルになったという。逆にプログラミング能力はかなりのもので中学生にして当時通っていた塾の教材システム移植を請け負い、見事やり遂げている。

ところがその後、パソコンに飽きては自堕落な生活をしていたかと思えば、進学校とはいえ最下位級なのに突然東大を目指すという破天荒ぶり。大学といえば九州大しか認められない地域なので東京に行く口実のために東大を目指したという。とにかく全方位にとんがってるのはやはり常人の域ではないと思った。


働くことへの貪欲さ

これまでの言動や著作から彼は守銭奴・強欲・金の亡者といったレッテルを貼られてきた。でも別に彼はカネのために働いているわけではないようだ。本当かどうかは分からんが、これまでの彼の言動や今回の自叙伝内容を見れば何となく理解はできる。ただ単に好きなことを突き詰めたい、没頭したい、という願望だけなんだと思う。そしてその原動力は常に思考をフル回転し続けること。思考停止が何よりの敵だと考えている。

そして、こういった働くことに対する貪欲さが世間からはカネへの貪欲さに取り違えられてるのではないか? と、ふと思った。

これまで彼は自分に対する間違った評価をあまり気にせず正そうとしてこなかったが、今後はそういったことも心がけるようなことも書かれていた。実際そういう方面の露出も増えてるように思える。


印象に残ったこと

本作品の中で印象に残ったことをいくつか。

飽くなき思考

飽くなき思考。これこそが彼の原動力。思考停止に陥ったら負けだ、くらいの信念を持って常に思考し続けている。この「思考」に対する執念はすごいと思った。塀の中にいても思考さえあれば自由だったと言っている。

時間の大切さ

カネの亡者ではなく、彼は時間の亡者だった。Time is money は間違っていてカネは増やせても時間が増やせないという発想だ。人間にとって有限なのはカネじゃなく時間で、死ぬまでの限られた時間は決して増やせない。時間こそが命そのものなんだと。そう、Time is money じゃなく、 Time is life だと。だから考えに考え抜くし、思考停止してる場合じゃないと彼は言っている。

シンプルに考える

彼はとにかく物事をシンプルに考えている。いろんなことに関ってすごいビジネス成果を出していて、多分彼の頭の中ではいろんな考えが複雑に絡んでは難しい問題をクリアしてるんだろうなぁ、とか思ってしまうのだが、実はとてもシンプルに考えている。最後のメッセージも実もシンプルだった。



というわけで彼の強烈なメッセージを全身で受けて、働くこと、考えることに対する意欲が沸いてきた。まぁ、読んだ直後だから特にそうなのかもしれないが、薄れてきたらまた読めばいいかな。次はKindle Paperwhiteで読みたいなぁ。


刑務所なう。 ホリエモンの獄中日記195日
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