ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

クラッシュ

ロスでおきた交通事故を中心に様々な人種や階級の人々の連鎖反応と人種差別や銃社会といったアメリカの暗部を描いた作品。こう書くと交通死亡事故の加害者と被害者の関係が中心になると思いがちだが、交通事故も死傷事故じゃないし、その事故の加害者と被害者のいざこざもあっさり終わっている。それよりももっと深い部分での連鎖反応が上手く描かれていた。

(「Oricon」データベースより)

ミリオンダラー・ベイビー』の製作・脚本を担当したポール・ハギス初監督のヒューマンドラマ。アメリカ・ロサンゼルスを舞台に、様々な人種や階層の人々の怒りや哀しみ、憎しみ、喜びなどを多彩な登場人物たちによって描く。第78回(2005年)アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞の3部門受賞。

 

 

 

登場人物が多くて、こういった伏線張りまくりの映画は見難くなってしまいがちなのに、この映画はすごく見やすかった。そえぞれの人物をうまく描き分けられているからかと。

人種差別問題は今でも根強いらしいんだけど、その問題を描いたストーリーで特に印象的だったのがペルシャ人一家のストーリー。娘の判断が良い方向に作用して結果オーライの形になったけど、発砲シーンは絶望的で本当にハラハラさせられた。

ハラハラという意味では、事故現場でのガソリン引火の危険が迫る中、ベテラン警官が因縁深い要救助者を救うシーンが心に残った。まぁ、正直言って元々の因縁シーンでもあの奥さんが騒いだせいで事態が悪化したことを考えると、助けてもらえてラッキーだと思え!とも思わんでもないが。。。

全体としていい出来だとは思うんだけど、最後が少し中途半端な感じがした。もう少し描いてほしかった部分が残ったまま終わってしまった。特に勘違いで人を撃ってしまったあの若い警官はどうなってしまうんだろうか、と。正義感が強く、見ていて共感も持てただけに哀しくなってしまった。

あ、サンドラ・ブロックの役は彼女じゃなくても良かった気がする。彼女には何となくコメディタッチの先入観を持ってしまうので、こういうシリアスな映画には合わない気がした。最後に少しいい人になったけどキャラ的にムカつく女だったので、彼女にはあまりやってほしくなかったってのもある。ただ、こういう役もできる人なんだなぁ、とちょっと見直した気はするけど。