★★★★☆
あの『
猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督による舞台もキャストも全て日本という作品。クァク監督テイストあふれるSFファンタジー・ラブストーリー。試写会で鑑賞したが、予想以上によかった。
全体的に『
猟奇的な彼女』を彷彿させる構成で、最後のどんでん返しっぷりもスゴイ。一番の見どころは
綾瀬はるかのキュートなサイボーグ役。
綾瀬はるかって今までパッとしないイメージがあったんだけど、こんなにキレイな人なのか、と見直してしまった。ジロー役の
小出恵介も『
猟奇的な彼女』のキョヌと重なる感じでハマリ役だったと思う。
あ、それから
MISIAの主題歌がこの映画にすごく合っていていい感じだった。
(シネマトゥデイより)
21歳の“僕”(小出恵介)を救うために未来の“僕”が現在の自分に送ったという最高にキュートな“彼女”(綾瀬はるか)は、やることなすことすべてが大胆でラフなサイボーグだった。“彼女”は“僕”のピンチを幾度となく救ってくれるが、感情を一切持たない“彼女”に思いが伝わらず、“僕”は一方的に別れを告げてしまう。しかしそれは、決して起こるはずのなかった、運命を変えてしまう“恋”の始まりだった。
えっとネタバレ注意です。
20歳の誕生日を迎えた北村ジローは、彼女もいないということで、自分で自分にプレゼントを購入。そんなやついるか? そんなジローの前に突然現れたかわいい彼女(
綾瀬はるか)。彼女と束の間の幸運な時間を過ごすが、彼女はその日限りで姿を消してしまう。
そして1年後、21歳の誕生日を迎えたジローの前に再び彼女が現れる。しかし今度は何か様子が変だ。レストランで機関銃を乱射するイカれた犯人からジローを守るなど、何かやたら強い。で、ジローの部屋に行くと、目からホログラム映像が映写され、彼女は未来のジローが現在のジローを救うために送り込んだサイボーグだという説明を受ける。何だかよく分からないまま、彼女との共同生活が始まった。
サイボーグとはいえ、見た目は人間そのもので、しかもめちゃくちゃカワイイ。ジローにとっては本当に幸せな日々だった。しかし彼女には心がないことをジローは気づき、そして悩み始める。そしてついには自分の前から消えるように彼女に命令する。命令に従い姿を消した彼女。そんな折、東京で突如大震災が発生し、ジローは巻き込まれてしまう。
ジローのピンチに再び彼女が活躍し始める。実は姿を消しつつも、隠れてジローを見守っていたことが分かる。サイボーグの能力を全開まで使って守ろうとする彼女。最後は自らの命(?)と引き換えにジローを守り抜く。半身になった彼女は、「ジローにこんな姿を見られたくない」と初めてハートの通った言葉を発する。ここ号泣。しかし、次の瞬間、ジローの目の前で彼女はビル崩落に巻き込まれて壊れてしまう。。。
ここから先はどんでん返しの連続だ。ここで20歳の誕生日に現れた最初の彼女の謎も解ける。大震災から60数年後、ジローはやっと彼女の修理に成功する。ここで終われば普通の作品。しかしここで終わらない。さらに数十年後の歳月を経て、とうとう彼女はある方法で生身の人間へと生まれ変わる。うーん、かなり複雑ですぐには理解できないが、これはかなりよく考えられている。誕生ケーキの儀式の学習とか彼女が持っていたマスコットの出所など、説明つかない矛盾も結構あるが、物語の大勢には影響しない些細なこと。こういう細かいところをつっこむのは野暮というものだろう。
で、結果的には生身の体を得た彼女が再びジローに会いに来るわけだが、そこに至る彼女の心の動きとか、再開後のこととか、その辺のことももう少しきちんと描いてほしかった。前半にジローの故郷に行くという意図がよく分からないシーンがあったので、あそこは逆に削ってほしかった。
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僕の彼女はサイボーグ@映画生活