★★★★☆
付録はあの
メガスターの
大平貴之氏と企画協力したピンホール式プラネ
タリウム。これが予想以上に素晴らしかった。通常肉眼で見える星空(6等星以上)よりも多くの星空を再現している。なので理論上は山地など空気が澄んだ場所で見られるような満天の星空が再現できることになる。まぁ、本物には勝てないですが。。。勝てないですよ。それだけは言っておきます。
作り方はちょっと根気が必要なだけでさほど難しくなく、だいたい1時間ほどで完成したかと。ホントこれでかなり綺麗です。部屋が広いと綺麗に見えないので、狭いところを探すといい。例えばお風呂やトイレ、押入れ、ウォークインクローゼットなどなど。難しいと思うけど、本物のプラネ
タリウムみたいに天井がドーム状の場所ならさらにいいかと。試してないけどドーム型テントとかあったら最高かも。
(Amazon.co.jpより 出版社/著者からの内容紹介)
『大人の科学マガジン』第9弾のふろくは、「ピンホール式プラネタリウム」。大人の科学編集部は、世界で最も先進的なプラネタリウム・メガスターを開発したプラネタリウムクリエイター大平貴之氏と3年ほど前より、新しいプラネタリウムの企画検討を進めてきた。それが、今回JAXA(宇宙航空研究開発機構)「宇宙オープンラボ」のバックアップの元、かつてない星空を映し出すピンホール式プラネタリウムが完成した。正十二面体の恒星球には、7等星以上、約10000個の恒星データがプロットされている。恒星球の傾きと回転により、好きな場所、好きなの日、好きな時間の星空を投影できる(北半球のみ)。もちろん、これまでのふろく同様、組み立てキットになっている。さらに本誌では、さまざまな改造も紹介しているので、オリジナルへのカスタマイズが可能だ。自分の部屋が星に満たされる感動を、ぜひ味わってほしい。
本誌の方も読み応え十分。
メガスター大平貴之と脳科学者
茂木健一郎の巻頭対談は楽しめた。茂木の発する素朴な疑問と大平のそれに対する回答から、プラネ
タリウムの目指すべき方向性、存在意義などが見えてくる。あー、なんかプラネ
タリウムに行きたくなってきた。
続く「星空の授業」も興味深い内容だった。観測技術の発展を追いながら宇宙について分かっていることを美しい星空の写真を交えて説明しくれる。宇宙に生命はいるのかとか、ブラックホールの正体とか、知的好奇心くすぐりまくり。
ハッブル宇宙望遠鏡と
すばる望遠鏡の比較記事も見応え十分。日本の
すばる望遠鏡が天体観測業界の最先端を走っていることを再認識した。特に最も遠い天体観測トップ10のうち8つをすばるによる観測というからかなりスゴイ。つーか、
ハッブル宇宙望遠鏡は廃棄が決まっているのだとか。ちょっとビックリ。
宇宙の年齢は137億年±1億年とされているんだけど、現在128億光年先まで観測できているという。つまり宇宙誕生後9億年の世界を観測しているということ。そして、残りの9億光年先まで観測するということは、即ち誕生直後の宇宙を観測することになる。ここから先を観測するには、
すばる望遠鏡も8m級望遠鏡としての限界にきており、日本では30m級、欧州では100m級の望遠鏡の建設を検討しているらしい。その他、
電波望遠鏡による探索も現在進行中であり、この先どこまで観測技術が発展するのか本当に楽しみ。つーか、今までの最高技術が8m級だってのに、100m級って一体。。。(汗)
あとは、宇宙人方程式なんてのもあった。アメリカの天文学者ドレイク氏によって提唱された銀河系内の探知可能な文明の数を計算する方程式だとか。実際には次の①〜⑦を全て掛け算した結果が銀河系内の探知可能な文明の数とのこと。
①銀河系内で1年当たりに誕生する恒星の数
②これらの恒星のうち惑星を持つものの割合
③これらの惑星のうち生命を育む環境を持つものの割合
④これらの惑星で実際に生命が誕生する確率
⑤これらの生命が知的な生物にまで進化する確率
⑥これらの知的な生命が我々の探知しうる高度なテクノロジーを持つ確率
⑦高度なテクノロジーを持つ文明が存続する期間
えっと、何か人によってずいぶん結果が変わりそうです。つーか、③以降ってそんなのが分かるなら悩まないと思うんだけど。。。ちなみに
大人の科学マガジン編集部の結果は20だったとか。
といった感じでなかなか楽しめました。