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ネタバレ上等ブログ

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

戸田恵梨香、松田翔太主演のテレビドラマ『ライアーゲーム - フジテレビ』の完結編として映画化された話題作。ドラマ版は見ていなかったが、原作(漫画版)は知っていたので何とかついて行けた。正直映画にするほどの内容かどうか微妙ではあったが、個人的にはことごとく予想を覆され、かなり楽しめた。

最後のライアーゲーム自体の謎解き、ネタバレがイマイチだったが、ゲーム内容と二転三転するゲーム進行は緊張の連続で、ライアーゲームの醍醐味を味わえたと思う。

原作ではニューハーフの福永の設定がかなり違っていて驚いたが、これはこれですごいハマっていたと思う。


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(「シネマトゥデイ」より)
女子大生の神埼直(以下ナオ、戸田恵梨香)は、謎の組織が主催する、巨額の資金を賭けて互いにだまし合うライアーゲームに参加するハメになる。彼女は天才詐欺師の秋山(松田翔太)の助けを借り、どうにか決勝戦まで勝ち進む。二人は50億円の賞金を賭け、信じ合う心がテーマの“エデンの園ゲーム”と呼ばれる最後の戦いに挑むが……。

バカ正直を地で行く女子大生の神崎直(戸田恵梨香)は、ひょんなことからライアーゲームという大金を賭けた騙しあいのゲームに巻き込まれる。そこで知り合った天才詐欺師の秋山深一(松田翔太)に助けられながら、何とか決勝戦の「エデンの園ゲーム」に参加することに。

この「エデンの園ゲーム」のルールが結構複雑。簡単に書くと、、、(全然簡単じゃないが、、、)

プレイヤーは投票室にある金、銀、赤の3種類のリンゴから1つを選び、自分の名前の焼印をりんごに入れて投票する。そして、その投票結果によって各プレイヤーがマネーを獲得するか、没収されるかが決まるわけだが、そのマネー分配ルールが複雑だ。

全員が赤に投票すれば、全員が1億獲得。
しかし金銀に手を出した者が1人でもいれば、赤に投票したプレイヤーは1億没収、金銀に投票したプレイヤーが1億獲得。
金銀に投票した者が1人の場合は、そのプレイヤーは特別ボーナスとして2億獲得。
一方、赤に入れた者が1人の場合は、そのプレイヤーの名前を公表した上、特別ペナルティとして10億没収。
赤の投票者がいない場合、金銀の多数派のプレイヤーが1億獲得。少数派は1億没収。

さらに投票のルールもいろいろある。覚えてるのはこんな感じ。投票は全部で13回行う。1回の投票の制限時間は1時間。ただし、全員の投票が終わった場合はその場で終了。制限時間内に投票室に入らなかったプレイヤーはペナルティとして1億没収。また、1人で2回投票した場合は先の投票が有効となる。

13回の投票の結果、マネーを一番獲得した者がゲームの勝者となり、賞金50億円を獲得する。ゲーム途中で負債が5億に達するとエデンの園から追放され、失楽園に落とされる。(つまりゲームオーバーとなる)ただし、誰かがその負債を肩代わりすればゲーム続行可能。


といった感じか。。。他にもゲーム終了後のプレイヤー間のマネーの移動を禁止しており、優勝賞金50億円の分配を前提とした共同戦線はできないように工夫されている。

このルールを見て、全員赤に入れればいいじゃん、と思った自分はナオ並みの正直者? いや、福永が言うところのバカ? でも、それだけで全員13億円ずつ獲得できる訳で、一番安全策じゃんと思ってしまう自分がいる。

でも、そんなに甘くないのがこのライアーゲーム。誰か1人でも金銀に裏切れば赤はマイナス確定のため、疑心暗鬼に陥る。しかも、神崎のように声を大にして「みんなで赤を入れよう!」と言ってるヤツがいれば、必ず赤がいると分かってしまうため、金銀に入れた方が安全に1億を獲得できるという判断が生まれる。

それにこの決勝戦は準決勝までに獲得したマネーをゲーム開始時の所持金とするため、ゲームスタート時にトップじゃない人は、金銀に入れて周囲を出し抜かないと優勝できない、という理由もある。そんなこんなで当然のことながら、初っ端から福永(鈴木浩介)ら裏切り者が現れ、全員赤を揃えるなんて無理な状態に陥る。

そろそろネタバレ注意です。
さて、ゲームの方は序盤から中盤にかけて、秋山が天才的頭脳を駆使して全体を掌握する。一部、不穏な動きを見せるプレイヤーがいるため赤を揃えることはできないが、投票時に焼印をつけるという微妙なルールをうまく利用して、みんなの焼きゴテを集めて票をうまく調整することでマネー没収は回避していた。

そんな不穏な動きをする一部プレイヤーだが、当然のことながら表立って何かをするわけではなく、傍から見ても何をしているのか、何をたくらんでいるのか分からない。しかし秋山はその中から特に危険な動きをしている人物がいることを察知する。誰だか分からないため、仮の名前X(エックス)として呼び、Xの動きに警戒していた。

秋山とXの水面下での頭脳戦が静かに勃発するが、終盤戦に指しかかろうというところで、秋山がXの罠にはまり失楽園へと。。。これには見ていて呆気に取られた。構図はこうだ、赤揃えにこだわるナオが意地になって1人でも赤を入れようとする。1人だと10億のペナルティを科されるため、秋山はナオを助けるために自分も赤を入れる。しかし、ナオが赤を入れる前にXがナオの焼きゴテを使って金か銀を入れていたため、ナオの投票は金銀が有効となってしまう。結果的に秋山のみが単独赤となり、10億のペナルティを受けてしまう。

うーん、さすがの秋山もナオのピンチには判断が鈍ってしまったのか。。。

マジでネタバレ注意!


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ところがここで予想外の乱入が。なんとヨコヤ(鈴木一真)が秋山の負債を肩代わりしに、準決勝で稼いだ大金担いでやってきていた。優勝賞金を全額支払うという約束でヨコヤが秋山の負債を肩代わりし、秋山は再びエデンの園へと舞い戻る。

が、しかし、、、未だ得たいの知れないXに対して、土下座をして負けを認める秋山。

これが実は秋山の華麗なる逆襲撃の始まりだった。土下座をして取り乱したフリをして、さらにはナオにビンタされつつ、憎まれ役となった秋山。実はナオのビンタも演技で、ナオが裏でいろいろな細工をしつつ、とうとうXのあぶり出しに成功する。

そして、最終ゲームでの状況はこんな感じ。Xこと仙道田辺誠一)がマイナス2億、ナオがプラマイ0、その他は1億以上。(だったかと、、、正直微妙)

ここでナオはある決断をする。自分の負債はいいから仙道の2億を助けたいと。そのためには仙道が金か銀を入れ、仙道以外の全員が赤を入れる必要がある。(これによりナオがマイナスに転落する設定だったかと) ナオは何とか全員を説得し、仙道以外が赤を入れる。最終ゲームの最終投票者は仙道。ナオに金銀のどちらか入れるよう言われた仙道だったが、なんと結果赤。ナオの仙道を助けようとした気持ちが通じた瞬間だった。そして、さらには難攻不落の赤揃えが実現した瞬間でもあった。

ゲーム終了後、秋山は優勝賞金50億の他に、仙道の1億の負債を肩代わりする条件付きで獲得マネー4億もヨコヤに支払う。が、なんとヨコヤは54億全額を小切手で戻すという何ともイイヤツになっていた。なんかヨコヤに金を通したことで、禁止されていたプレイヤー間でのマネーの移動には当たらなくなったみたいだ。マネーロンダリング役か。なお、このマネーは過去のライアーゲームで負けた全員の借金返済に充てられたとか。

そして、最後のネタバレ。ライアーゲーム事務局の正体、そう秋山が追っていた黒幕だが、、、そんなもんはいないと。えーーー???

エリー(吉瀬美智子)によれば、元々ライアーゲームを始めた人間はすでにこの世を去っており、今は一部の金持ちの道楽としてライアーゲームが行われ、ゲームの勝ち負けやエデンの園ゲームの赤揃えが実現有無などを賭けの対象にしていた、という何とも納得できない話。ただ、今回、奇跡の赤揃えが実現したため、大半の金持ちが大損したとか。これはスッキリ!

そういえばチンピラ役で松村雄基が出ていたが、必要なキャストだったのだろうか? あまり重要な役でもないし、ただウザイだけで見せ場もないし、キャラ的にXって感じでもないから、誰がXだ?って時の目くらまし役にもなっていない。松村雄基よりももう少し不気味に大人しい、若干腹黒そうな感じの人の方がよかったかな。

そうだ、それからエンドロール後のエピローグがたまらない。大塚さん何故に黒封筒? でも、いい話でした~


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