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製鉄天使

あの名作『赤朽葉家の伝説』の続編というかスピンオフというか、、、 あの作品の二代目の赤朽葉毛毬が本作品の主人公、赤緑豆小豆だ。 なんでわざわざ名前を変えたのか? 『赤朽葉家の伝説』とはあまりにも雰囲気が違いすぎるから?

マブイスケ、総番、鬼ゾリ、リーゼント、、、と恥ずかしくなるような言葉オンパレード。「サテンでインベーダーゲームでもやらね?」とか赤面モノのセリフも出てくる。

全体的にとにかく漫画チック。無意味に長いストーリーでちょっと読むのがきつかった。ちょっと変わった青春モノといった感じだが、一体何が書きたかったのか???

製鉄天使 (創元推理文庫)
桜庭 一樹
東京創元社
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(「BOOK」データベースより)
辺境の地、東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。その地に根を下ろす製鉄会社の長女として生まれた赤緑豆小豆は、鉄を支配し自在に操るという不思議な能力を持っていた。荒ぶる魂に突き動かされるように、彼女はやがてレディース“製鉄天使”の初代総長として、中国地方全土の制圧に乗り出す―あたしら暴走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記。里程標的傑作『赤朽葉家の伝説』から三年、遂に全貌を現した仰天の快作。一九八×年、灼熱の魂が駆け抜ける。


鳥取県赤珠村の製鉄会社の長女、赤緑豆小豆。幼い頃から血気盛ん、中学に入ると同時に地域No.1のレディースチーム、エドワード族を壊滅に追いやり、鳥取県No.1の称号を勝ち取る。彼女が率いる製鉄天使(アイアンエンジェル)は鳥取県だけでは収まらず、他県へと乗り込んでいき、瞬く間に中国地方を制圧する。と、まぁ、こんな感じのレディース国盗り物語といったところか。

それにしてもチーム名がどこもすごい。鳥取県は製鉄天使、残薔薇壱輪(ざんばらいちりん)、エドワード族と比較的まともなんだが他県はすごい。島根県の虚無僧乙女連(こむそうガールズ)、岡山県の薔薇薔薇子供(ばらばらベイビー)あたりは正直笑った。虚無僧乙女連なんてマジで虚無僧と同じように竹籠をかぶっちゃってるし。。。 続いて広島県は「裸婦」と書いて「ラブ」と読ませる、ここはちょっとまともか。そして最後がすごい。山口県の下関トレンディクラブ。えっと何がトレンディかというと紺ブレに金ボタンの戦闘服がトレンディなんだとか。。。

チーム名だけでもお腹一杯なんだが、チームメンバーのニックネームもこれまたすごい。「スミレっ子」と「花火」はまだいいとして、「ハイウェイダンサー」「通りすがりのレディ」なんかはニックネームとしてあり得ないかと。。。

中国地方制圧ストーリーは小豆が鉄を自由自在に操るという奇妙な術を使って、あれよあれよと進んでいく。下関トレンディクラブを倒した後に最初に潰されたはずのエドワード族が再び出てきたのにはちょっと驚いたが、基本的には退屈なストーリー展開だった。あ、そうそう、高校進学と同時に製鉄天使マスコットを引退したスミレっ子との別れがちょっと切なかった。

中国地方制圧後は徳川埋蔵金を掘りに赤城山に行ったらしいが、『赤朽葉家の伝説』では確かこの後、漫画家として成功を収めたはず。続編はあるのか? イマイチな作品だったが続編が気になる珍しい作品だ。赤朽葉家効果かな。


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新日本製鉄(株)
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