ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

カラフル

生前大きな過ちを犯したために輪廻サイクルから外された少年が主人公。通常、輪廻サイクルから外されたら二度と生まれ変わることができないが、何やら抽選に当たったラッキーソウルだとかで、再挑戦の権利を得ることになる。その再挑戦とは別の死んだ身体に魂を移して、もう一度人間界に戻ることを指し、これをホームステイと呼んでいる。

こうして再挑戦(ホームステイ)に挑む主人公だが、新しい生活でいろいろなことを感じていく中で、徐々に本当の身体の持ち主へと感情移入していく。そして、このストーリーの肝となる主人公の生前での過ち。これらが見事に1つストーリーへと収束していく様は見事。

ただし、個人的には途中でオチが見えちゃったのが残念。どう考えてもそういう流れしかない、といった展開だったので、その辺をもう少し何とかして欲しかった。

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(「BOOK」データベースより)
【産経児童出版文化賞(第46回)】いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。ぐっとくる、ハートウォーミング・コメディ。

主人公は小林真という服薬自殺をした中学3年生の少年の身体を与えられ、小林真として生活していくことになる。最初はなぜ本物の真が自殺をしたのか分からないほど家庭環境がよく感じられたが、徐々に異変に気づく。どうやら父は身勝手で、母は不倫をしており、そして兄は真を疎ましく思っている、ということで決して恵まれている環境ではないようだ。さらにこのホームステイのガイド役、天使のぷらぷらによれば、初恋の女の子が援助交際していて中年男性とホテルから出てくるところも目撃してしまったのだとか。んー?でも自殺するほどのことか???

真は中学3年生ということで、ホームステイから間もなくして学校生活がスタート。先生以外には自殺のことは知られていないようだ。しかし、性格が元の真と全く違っているらしく、周囲から驚きの目で見られることに。どうやら本物の真はあまり喋らずに自分の殻に閉じこもっていたタイプのようだ。

中学での主要人物は3人。まずは真の初恋の相手、例の援交疑惑の桑原ひろか。何と1つ年下の中学2年生。真に普通に話しかける唯一の存在だったようだ。それから真の異変を察知した同級生の佐野唱子。自殺前の真の記憶にはない、つまり眼中になかったということだが、唱子は逆に真を意識していたようだ。そして主人公(別人格の真)が新たに作った友人の早乙女君。こうした登場人物を軸にストーリーが進んでいく。

こうして何とか学校生活を送りながらも、あまりよく思っていなかった家族とも会話をしたり、衝突したり、、、 そうした中から、実は世界はそんなに単純なものじゃなく、この世の中も、そして人も、綺麗な色もあれば汚い色もある。いろんな色でカラフルに彩られ、それら全てをひっくるめて受け入れるしかないんだということに気づく。

家族に誤解も解け始め、また親友となった早乙女君と同じ高校を目指すことになった主人公は、小林真を偽って生活することへの違和感と周囲への申し訳なさを感じるようになる。ガイドのぶらぶらにこの身体を本物の小林真に返してやりたいと伝えると、24時間以内に自分の生前の過ちを思い出せば、この身体に本物の小林真の魂を入れてやることができると告げられる。いきなりのタイムリミット展開に。

24時間という期限が急にできて焦る主人公。ぷらぷらによればヒントは至るところにあるらしいが、色々考えるも全く思い出せないままタイムリミットが近づく。そして一番ヒントがありそうな美術室に向かうとそこには唱子が。彼女の独白によれば小林真はいじめにあっていたと。そして自分と同じ境遇(唱子もいじめられていた)にも関らず、しっかりと自分の世界を持っていた小林真に憧れていたと。だからこそ彼女に分かっていたことがある。それは小林真が性格こそ変わってしまったが、絵を描く時の独特の色使い、筆のタッチ、そういった根っこの部分は変わっていないことだと。

これを聴いた瞬間、主人公は、いや小林真は全てを悟ることになる。そう、即ち自分が小林真本人であり、生前の過ちとは自殺だったということを。気づくのおそいよ。。。 全てを理解し受け入れ、小林真はもう一度やっていこうと考える。ガイドのぷらぷらに促され、再挑戦が終了し、ホームステイから本当の生活を始めるところでエンディング。

結構いいストーリーだったけど、元の真が描いていた絵を新しい真がスムーズに描けたりするところとか、いくつかの断片的な状況から、このオチは容易に予想できた。つーか、このオチ以外にうまくまとめる方法はないんじゃないかと思った。

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