ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

理系のための投資入門

ガチガチ理系サラリーマンが33歳で上場企業社員の立場を捨てて投資セミナー社員に転職。そこで学んだ投資のノウハウを分かりやすく説明している。

著者はリスクを取らないことを良しとしてきたというが、それが一転して膨大とも思えるリスクを取っていて、ちょっと両極端すぎる気もする。リスクを取らないのが最大のリスクとは言うけど、この転職の方がリスクとしてはもっと大きい気がする。超ハイリスク超ハイリターンな転職。

まぁ、きっちりルールを決めて、勘に頼らず、感情に流されず、決めたルール通りに確実に運用していくやり方ということで、確かに理系の人向きなのかもしれない。



(「BOOK」データベースより)
今のままで、5年後、10年後、本当に大丈夫ですか?今の仕事を続けながら、投資をうまく活用して、将来へ明るい展望を開くための指南書。

自分もずっと理系でエンジニアなので、著者と同じように将来に漠然とした不安を感じたりしていた。実際、それで転職したクチなんだけど、この人の転職っぷりはすごすぎる。それじゃ、不安の種を増やしてるだけのような、、、 と思ったり。

「リスクをとらないのが最大のリスク」「自己投資こそ最も割のいい投資」 どこかで聞いたような言葉だが、確かにその通りだと思った。

まぁ、著者の転職の話はこれくらいにしておいて、本題の投資の方はというと、、、結構勉強になった。

特に株やFXでは損切りによるリスク管理で一つ一つの失敗を致命的なものにしないことが重要だという話。損切りルールをきっちり決めて、それに則って損切りする。当たり前のことだけど、損切りすると損失が確定してしまうから結構できないらしい。

もう少し粘れば持ち直すかもと持ち続けたり、転職直後の著者の経験談のようにあまりにも損失額がひどいともう考えることすらせず、損失がどんどん膨らみ続けてしまう、ということもあるらしい。

逆にこれさえきっちり管理すれば大きな損失は出ない。FXでレバレッジを効かせて資金の何倍もの投資をするのは危険だと思っていたが、それも損切りなどのリスク管理をしっかりしていれば怖くないということがよく分かった。

そしてこの損切りルールの徹底にはトレイリングストップ戦略の自動化が有効。トレイリングストップの指示を出せる業者があるので、それを使えば勘とか感情とか抑えて自動化できる。例えば高値から予め決めた設定値を下回ればそこで売却、といった設定ができるらしい。ここなんかが参考になりそう。
トレーリングストップ|リスク管理追求型サービス|リスク管理: 株のことならカブドットコム証券


その他、株やFXのテクニック的な部分も非常に参考になった。トレンドとかレバレッジとかスワップポイントとかが分かりやすく説明されていた。証券会社のサイトとかでも説明されているけど、専門用語だらけで難しすぎる。この本で勉強してから証券会社とかの説明を見ると結構分かるので不思議だ。

あとチャートは単なる結果ではなく、そこからトレンドを見出すことで人の動きを読むのに使えるということ。投資というのは相場の動き読むんだけど、もっと言うとそれは人の動きを読むことにつながるんだとか。なるほど~。

投資だけでなく、お金に関する考え方も参考になった。まず投資家というのはお金を一番大事にしているイメージがあるが、そうではなく、お金より時間がの方が大事だということ。お金は稼いだり貯めたり投資で増やしたりできるが時間は絶対に増やしたり貯めたりする事はできないというのがその理由。時間はお金を節約するために使うのではなく、ビジネスを進めたり、アイディアを練ったり、自己投資したりするために使うという考え方だ。これは経営者なんかも同じ考えなんじゃないだろうか。

自家用ジェットを持ってるセレブの話を聞くと金持ちの道楽のように考えてしまいがちだけど、彼らにとってはお金よりも時間短縮の方が重要だと考えられる。そうして節約した時間を使って新たな利益を上げることを考えれば、自家用ジェットは決して高いものではないはず。実際今のような世界的な不況下でも、世界の富豪たちは自分の資産をどんどん増やしているらしい。やはり自家用ジェットを持つような人達は時間さえあればどんどん儲けてしまうんだろう。

後半は著者が投資の本命という不動産投資についてだが、うーん、、、微妙。。。 確かに物件に恵まれれば安定収入が得られそうなんだが、実際にサラリーマンの給料並みの収入を得ようとしたら投資額も億単位と半端ない。今は賃貸も競争が激しく空き部屋が多いって聞くけど、そういう空き部屋になるリスクとかが軽視されているような。。。 まぁ、物件選びが一番の肝らしいので、そういうダメ物件を選ばないようにするのが大事なんだとは思うが、、、 でも火事とか殺人事件とか自殺とかってのは物件選びでは回避できなさそうだなぁ。期間も非常に長いので、その間にそういった事件が起きるリスクは決して低くはないと思うんだが。。。

ちなみに
 表面利回り=家賃収入÷物件価格
 実質利回り=(家賃収入+ランニングコスト)÷(物件価格+購入時諸経費)
という式で、投資額に対する利回りが計算できるんだけど、これは自宅購入の住宅ローンに適用することもできるとか。

まぁ、正直これはどうでもいいと思った。



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