昨夏話題になったアニメ作品。気になったので見てみたが、予想以上に面白かった。
ネット上の仮想世界と旧家の集いがリンクして、世界中をも巻き込む一大騒動に発展するというアニメならではの奇想天外ストーリー。
田舎町ののんびりしたノスタルジー溢れる描写とネット世界の怪奇な描写が対照的でよかった。
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（「シネマトゥデイ」より）
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。
主人公はネット上の仮想世界ＯＺで末端管理人のバイトをしている小磯健二。あと少しで数学オリンピック日本代表になれたほどの数学の才能を持つ健二は、同級生の佐久間敬とのじゃんけんに勝利して、憧れの先輩、篠原夏希のアルバイト権をゲットする。このじゃんけんももしかしたら数学的頭脳で勝ったのかも。
さて、その夏希のアルバイトというのは長野県上田市で行われる夏希の曾祖母の誕生会に出席するというもの。なんと夏希の恋人のフリをして、というおまけつき。
夏希の曾祖母、陣内栄が住む家へとやってきた健二だが、なんとこれがまたとんでもなく立派な邸宅。栄を筆頭とした陣内家は武家出身の旧家だったのだ。
そんなこんなで夏希の恋人のふりをするワケだが、それには設定があるとのこと。旧家出身の東大卒で留学経験もあるという後輩の高校生に演じさせるには無茶苦茶な設定だったが、実はこの設定は夏希の憧れの叔父、陣内侘介のものだった。その侘介もアメリカから帰国してくるのだが、彼が開発した人工知能ＡＩがとんでもない騒動を起こすことになる。
その晩、健二のケータイに意味不明な数字の羅列のメールが入る。健二はこれを数学の問題として解いて返信してしまう。この辺がちょっとワケ分からんかった。数学が得意ということで数学の問題として解くまではいいとして、なぜ健二にメールが来たのか？ なぜ差出人に覚えがないメールに返信してしまうのか？ といったあたりが不明確。んで、このメールが実は仮想世界ＯＺの重要な暗号解読問題だったということで、翌朝、世界はがらりと変わっていた。
この仮想世界ＯＺはあらゆる現実が取り込まれていて、役所機能なんかも入っていて、ＯＺ上のアカウントはそれこそ身分証明書というか自分の分身そのものだったりする。そんな仮想世界なのでセキュリティは超一級だったはずなのに、高校生に一晩（もかからず）解かれちゃうってのもヘンな話だが、まぁ解かれちゃったから大変だ。
謎メールの差出人は実は人ではなく、先にも書いた侘介が開発した人工知能、通称ラブマシーンだった。コイツがＯＺ上で悪さをして、現実世界の水道やら交通網やらセキュリティ網やらが完全麻痺してしまう。そんな混乱の最中、夏希の曾祖母栄が健二に夏希をよろしくと言い残して、持病で急逝。原因はＯＺ混乱による通信障害で、主治医が駆けつけられなかったことだった。そんなわけで陣内家はにわかに弔い合戦モードに入る。
いろいろすったもんだの末、ラブマシーンは何億人ものアカウントを人質に取り、さらには人口衛星を地球上の核施設に墜落させようとする。それに対抗して夏希が陣内家のアカウントを賭けて、花札こいこいで勝負をする。陣内家で花札の腕を鍛えられた夏希は連勝を重ねる。しかし多勢に無勢とはまさにこれ。相手は何億ものアカウントを持っているのに、こちらは数十しかアカウントを持っていないので、勝っても勝っても相手の持分は一向に減らない。逆に夏希は持分の大半を賭けているから１回でも負けたら厳しい。そんな中、この戦いを見ていた世界中のアカウントが夏希につく。僕のもわたしのも使って、と。ここ感動ポイント。まるで元気玉。
そして、夏希の勝利。世界は救われた、、、と思いきや、まだ危機は回避されてなかった。なんと人工衛星が陣内家邸宅にロックオンされ、墜落まで残り数分という事態に。ここで今度は健二が人工衛星のＧＰＳの原子時計に偽の補正情報を送ることで軌道を逸らそうとする。しかしラブマシーンが管理パスワードを変更しており、健二が解読するために計算。健二が解読してはラブマシーンがパスワード変更、というイタチごっこだ。いくら数学の天才とはいえ、ほんの数分で解読できてしまうパスワードってどうなのよ。最後は手計算の時間すら惜しんで暗算で解読しちゃったし。。。
とまぁ、こんな感じでかなり無理やりなストーリーだったけど、主人公が数学が得意とだけあって、いろんなところでうまく計算されているなぁ、と思った。
