ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

シリアナ

難しすぎる。。。予備知識があればもう少し理解できたかも。

ひとことで言ってしまうと石油利権絡みの映画ってことになるんだが、そんな簡単に片付けられるものじゃなさそう。

(「eiga.com 新作映画評」より)

トラフィック」でアカデミー賞脚本賞を受賞したスティーブン・ギャガンが、全米ベストセラーとなったノンフィクション「CIAはなにをしていた?」(新潮社刊)を元に映画化した社会派群像劇。CIA工作員、アラブの王族、米国の石油企業、イスラム過激派テロリストら石油利権の周辺にうごめく人間たちの運命をドキュメンタリータッチで描く。ウィリアム・ハートクリス・クーパーアマンダ・ピートクリストファー・プラマーらが共演。

 

 

 

ストーリーは石油利権に絡んだ巨大石油会社の合併話を中心に進んでいく。CIA諜報員、石油会社の弁護士、エネルギー関連アナリスト、中東国家の王子兄弟、中東の労働者などの各伏線ストーリーが平行して進行していくのだが、切り替えが早すぎて、難しい上に忙しい。しかも最後には見事に1つに収束するんだけど、最初は全くバラバラなストーリーなので、何が何だかさっぱり分からない。中東の方々の顔の見分けがつかないのも難解さに輪をかけてたかも。。。

そもそも"シリアナ"というのは、ワシントンのシンクタンクで実際に使われているイラン、イラクシリアがひとつの民族国家になることを想定した専門用語らしい。アメリカ的にはこういう扱いにくい国家をまとめて扱いやすくしちゃいたい、といったところらしいが、イスラム教の別宗派をくっつけようなんてのは傲慢もいいところ。

この映画で分かったのは、世界の石油の4分の1を消費するアメリカにとって、石油の扱いひとつで国家レベルの非常事態になるということ。それだけに石油利権は重要視されるし、それ絡みの汚職も絶えないんだろう。また、アメリカは石油保有国が民主化してしまうのは実は困るらしい。よく考えてみたら確かにそうだ。民主化して石油保有国が商売っ気出したら、石油価格は高くなってしまうだろう。石油を安く買うためには石油保有国とうまく付き合う必要があるんだが、そのためには専制君主タイプの方が都合がいい。トップがおバカなら更にいい。映画でも民主化を進めようとした先進国帰りの頭の切れる王子がアメリカの暗殺対象となってしまった。

エンディングは結構衝撃的。アメリカの勝ちと思わせといて一矢報いられる。アメリカは裏でテロリストにミサイルを供給し、自分たちの阻害要因抹殺のためにテロを起こさせようとしてたんだが、そのミサイルの一つがアメリカに敵対心を抱くテロリストに渡ってしまう。最後はアメリカの勝利の象徴、巨大石油タンカーが自爆テロの対象となってしまう。

んー、難解な上に複雑に入り組んだストーリー。見た直後は消化不良気味なんだが、もう一度じっくり見たら、もう少し理解が深まるかも。