zakky's report

ネタバレ上等ブログ

 

美丘


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読み始めてすぐ、タイトルが”ビキュウ”ではなく”ミオカ”と読み、それが女性の名前だということを知った。

そして、物語は今は亡き恋人の回想録という形でスタートするため、そのタイトルにもなった美丘という女性が若くして亡くなったことを知ることになる。

石田衣良作品は「池袋ウエストゲートパークシリーズ」や「アキハバラ@DEEP (文春文庫)」を読んでいたが、この作品も石田衣良作品っぽさを感じた。特に出だしの微妙さとか。

(「MARC」データベースより)

残された命を見つめ、限りある生を全力で走り抜けた美丘。彼女が生きたことの証として最期を見届ける太一。奇跡のラストシーンに向かって魂を燃焼しつくした恋人たちを描く、号泣の物語。『野性時代』連載を単行本化。

 

 

 

美丘のきついストレートな性格は見ていて痛々しさすら感じた。何となく吉本ばななの「TUGUMI(つぐみ)」を思い出したが、あれはデッドエンドだったっけ?んー、読んだの多分15年以上前だし、かなり忘れているが、何となく共通点を見出した感じたする。もう1回「TUGUMI」を読んだら撤回するかもしれないけど。

まぁ、彼女が死んでしまうことは予想できてたから、余計生き急いでる感じがするんだが、その理由は後々明らかになってくる。辛く哀しい絶望とともに。。。

構成的には、出会いの導入部から恋愛に至るまでのバランス感覚が見事。恋愛モードに入ったのも束の間、とうとう恐れていた死へのカウントダウンが始まってしまう。それでもその絶望に抗うでもなく、諦めるでもなく、ただ受け入れてひたすら生きようとする彼女の強さがよく描かれていた。

確かにストレートなハッピーエンドではないかもしれないが、太一と美丘が最期の一瞬まで愛情と信頼で強く結ばれていて、死をも乗り越えて永遠の幸せを手に入れたと考えれば、限られた条件下での最高の終わり方だったと思う。

それから最初は男女33の6人グループから始まったが、太一と美丘の恋愛が始まり、同時に美丘の真実が発覚した辺りから2人だけでの物語になる。恋愛のいざこざもあるが、この変化がストーリーに絶妙なコントラストを与えていて、絶望の中でも必死に生きようとする美丘を際立たせていたんじゃないかと思う。それだけにグループに真実を告白するシーンはとても重要で、涙無しでは読めなかった。

美丘の病気がクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)で、それがヒト硬膜移植による薬害感染なんだけど、そのことに対する社会への問題提起というかメッセージ性は感じられなかった。それよりも人の命は確かに永遠ではないが、ある意味で永遠でもある。そんな不思議なことを考えさせられる内容だった。

 

 

 

■2010.07.14追記

日本テレビ ドラマ「美丘-君がいた日々-」が7/10(土)からスタートしました。(毎週土曜21時~)

公式サイト:http://www.ntv.co.jp/mioka/index.html

第1話再放送あり 7月15日(木)15:55~16:53 ※関東ローカル(NTVのみ)