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zakky's report

ネタバレ上等ブログ

 

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8


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石田衣良池袋ウエストゲートパークシリーズ第8弾。

 前作『Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク〈7〉』を読んだのは2年前。ちょっと記憶が曖昧なんだけど、今回もシリーズをブレさせず、なかなかの面白ネタを上手く仕上げている感じがした。

 今作のテーマは親子愛か。全ての話に色々なタイプの親子が登場し、そして、色々な形の親子愛が描かれている。

 

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉 (文春文庫)

 

 

(オンライン書店ビーケーワンより) 派遣会社からの日雇い仕事で、その日その日を食いつなぐフリーターのサトシ。「今のぼくの生活は、自分の責任」と言いきる彼を、マコトもGボーイズも放っておけず…。I/W/G/Pシリーズ第8弾。

まず第1話目の「千川フォールアウト・マザー」では、日常生活にゆとりがないシングルマザーにスポットを当てる。シングルマザーの苦労話だったり、留守番中の幼児のマンション転落事故だったり、個々の話は結構ありがちだが、これらが組み合わさると何とも言い難いリアル感が出てくる。最後は息子を施設に預けるという究極選択をすることになるが、今は辛くても、先の先のさらにその先までを考えれば、それが二人にとって今できる最善の選択なんだろう。それはマコトの母親が身を持って証明している。

 第2話「池袋クリンナップス」では、見返りも求めずにただひたすら掃除をするという黄色いバンダナの集団が池袋に現れる。そのボランティア集団のリーダー和文が、池袋も含む東京各地で再開発事業を展開するデベロッパー会社の社長の息子。父親は個人資産一兆二千億だとか、、、(汗) 父親の生む経済的な富に対し、自分が生むのは社会的な富だという和文。そういう考えからボランティア掃除集団をまとめてきた。端から見たらなかなか立派な息子だが、父親は自分の会社にも入らず、ボランティアに精を出す息子を不甲斐ないと思っているようだ。その後、和文の狂言誘拐と父親の脳卒中というアクシデントを経て、最後は利益の10%を社会還元に回すという条件付きで父親の会社に入社した和文。こういう人のところに富が集まれば、と思ったり。。。一命を取り止めた父親も最後は息子を認め、ちょっといい話に落ち着いた。

 第3話「定年ブルドッグ」は、元上司の娘が巻き込まれた事件の解決に奔走する定年警察官の話。事件ってのは、この娘がどうしようもない男にひっかかり、裸の写真をネタに強請られるという内容。実はこの女は結構なM女らしく、裸の写真ってのが縛られてクリップで何やら摘まれて喜んでるという代物らしい。。。(汗) それはさておき、娘は父親に迷惑をかけたくない一心でマコトに相談し、父親は娘を危険な目に合わせたくない一心で自身の出世を棒に振ってでも警察組織の力を使おうとするが、彼を敬愛する元部下の大垣が止めに入ったのだった。互いを大事に思うがために、互いに遠慮しあう構図か。所詮、そんなちっちゃな男はマコトや大垣の敵じゃなく、あっさりと解決するワケだが、その後の大垣と娘の会話が泣かせる。「別にがっかりなんかしないですよ。世のなかには、いろんな趣味がある。ベッドの上でくらい人間は自由でいいと思います。でも、ああいうことをするには、相手を選ばなくちゃいけない」 このセリフはマジでカッコイイと思った。娘同然に可愛がってきた女性のちょっと変わった性癖(最近はSMくらい変わったとは言えんのかもしれんが、、、)を知っちゃったおっちゃんのセリフとしては、文句なしに一番カッコイイんじゃないかと。

 最後は表題作「非正規レジスタンス」 派遣会社に登録して、メール一本で日雇いの仕事に駆けつけるというワンコールワーカーの話。この「ワンコールワーカー」って言葉は初めて聞いたなぁ。確かに文字通りなんだけど。日給7500円のために命を削って働き、まともな寝床もなく、でもホームレスには成り下がりたくないから漫画喫茶等で朝を迎えるという。夢は足を伸ばしてねむることって、、、本当にそういう世界があるのか??? そして、そんな辛い立場の彼らが個人でも加入できる労働組合があり、なぜかその代表がメイド服を着た女の子だったりする。いやぁ、最初はこのメイド服に何か意味があるのかと思ったが、全くないようだ。肝心の話の方は、この派遣会社が少々違法なことをやっていて、んでもって、このメイド萌えちゃんがこの会社の社長令嬢だったりして、最後は一発逆転でワンコールワーカーが正社員になっちゃったり、何かもう破天荒な話になっている。最後はマコトも「おれはいろんなやつの話を聞きながら、黒いタイツに包まれたモエ(←メイドっ娘の名前)の形のいいふくらはぎを眺めている。」とか「メイド服のスカートのしたのフリフの襞を数える時間は、なかなか素敵だ。」とか言ってて、すっかりメイド萌えになったらしい。