ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

数学ガール

★★★★





結城 浩
価格
ストーリーの秀逸さだけでなく、教える・教わる事へのヒントがたくさん詰まった書籍
数学ガール」は出版前から結城さんのWebサイト上で読んでいました。ストーリー展開の秀逸さもさるところながら、読み終わって思うのが「教える事」「教わる事」のエッセンスがふんだんに盛り込まれていると言...
あまなつShopあまなつで見る同じレイアウトで作成

数学オタクの主人公がツンデレ天才少女のミルカさんと萌え萌え妹キャラのテトラちゃんに翻弄されながら数学を楽しむという、よく分からないストーリー。 最初はミルカのぶっきらぼうなキャラにも、テトラの高すぎるテンションにもついてけなかった。特にテトラはスゴイ。以下のテトラのセリフなんて、もう何の本なのか分からなくなってしまう。『先輩……。あたしって、そんなバタバタしてますか……ちょっとショックです。それに《妹キャラ》っていったい何ですか。今度から、お兄ちゃんって呼んじゃいますよ』 こ、これが妹萌えというジャンルなんですね。。。いや、参りました。 といった感じで、数学部分以外のストーリーは概ねドン引きしながら読んだんだけど、読み終えた今ならテトラ考案のフィボナッチサインの挨拶だって。。。やっぱ、無理だ。。。


Amazon.co.jpより) 心ときめく数学の世界をあなたに。 『プログラマの数学』の結城浩が贈る、魅惑の数学物語。美少女ミルカさん、元気少女テトラちゃん、それに僕。三人の高校生が数学にチャレンジ。数学を楽しみ、学ぶことについて考え、異性へほのかな思いに心を動かす……。オイラー生誕300年記念出版。

『はい、これでひと仕事おしまい』のかけ声で終わるミルカの証明はとてもエレガントで目から鱗状態。途中いくつか理解できなかった(というか、面倒なので読み飛ばした)箇所もあるが、それでもエレガントさだけは伝わってきた。 特に、数列と母関数の世界を行き来したフィボナッチ数の一般化、図示と経路組み合わせによるカタラン数の一般化は見事。あと、分割数についてフィボナッチ数を上界として証明することで間接的に分割数の不等号を証明する方法も見事だった。 それから連続的な世界と離散的な世界の関係と微分、差分、積分、和分の関係も見事の整理されていて印象に残った。離散的な世界での指数関数が2の冪乗になり、また、離散的な世界での対数関数が調和数になるというのも印象的だ。 と、数学に関してはとても楽しめた。ストーリーもまぁ、何とか楽しめたと思う。でも、こんな勉強好きな高校生っているのかな?これが天才とか秀才とか言われる人種なのか? エピローグは、主人公が数学教師になってからの話になっている。テトラのような元気な女の子を相手に、かつて自分も村木先生から出してもらったような数学の課題を出している。『数学は、時を越える』がテーマになっているようで、それが伝わるなかなかいい終わり方だ あ、そういえば、ミルカと友人エィエィの無限に音階が上昇するように聞こえるというピアノ連弾も気になった。オクターブずらしておいた複数の音を、そのまま並行に上昇させて、音が高くなるほど音量を小さくし、音が上で消えると同時に低い音を小さい音量で入れていく。こうして中音域が最大音量になるように弾くと、人間の耳は騙されて無限に音階が上昇していくように感じるらしい。本当なのか??? 錯視の聴覚版、錯聴ってことなのかな?