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ネタバレ上等ブログ

涼宮ハルヒの消失

 ちょ、これはスゴイ。。。

 過去3作『涼宮ハルヒの憂鬱』『涼宮ハルヒの溜息』『涼宮ハルヒの退屈』は全てこの作品のためにあったと言っても過言じゃないくらい、ものすごいレベル。

 これまでの出来事やキャラ設定などの積み重ねを余すところなく利用しつくしている。またあの3年前の7月7日が再び出てくるとは。。。やられた。

 今回は、またまた時系列的に飛んで今度は真冬の12月、クリスマスシーズンの話だ。例によってその空白の期間の出来事についてもたまに記述があり、今後の作品で補完されるんだろう。ループする夏休みとか市民プールや盆踊り会場で長門の雰囲気が少し変だった話とか、それにコンピュータ研とのゲーム対戦やハルヒがキョン宅に来たことやキョンが長門のマンションの屋上に上がったことなどなど、(記憶違いじゃなきゃ)まだ読んでないエピソードばかりだ。結構気になる。

 

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2012-09-01)
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(「BOOK」データベースより) 「涼宮ハルヒ?それ誰?」って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは解らんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い打ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!どうやら俺はちっとも笑えない状況におかれてしまったらしいな。大人気シリーズ第4巻、驚愕のスタート。

 

プロローグ 12月17日

 クリスマスイブを一週間後に控えた12月17日から物語は始まる。例によって最高の笑顔でクリスマスイベントを企画するハルヒだが、、、

 古泉によれば中学時代のハルヒは楽しげに笑うことはほとんどなかったそうだ。こうやって毎日のように笑顔を見せるようになったのは、キョンと閉鎖空間から帰ってきてからだという。つまりあれだ、キス効果ってやつか。やはりツンデレ女王だな。

 ちなみにすっかりおなじみの朝比奈みくるのコスプレ衣装、今回はサンタ衣装(超ミニスカ仕様)だ。メイド、ウエイトレス、ナースときてたので定番が出尽くした感があったが、まだいろいろあるんだなぁ。

 

 

第1章 12月18日

 少し長いプロローグが終わり、いよいよ本編へと突入。ただどうも様子が変だ。学校に行くと1年5組の雰囲気が昨日と違うことに気づく。まるでパラレルワールドだ。

 そしてキョンの後ろの席、そうハルヒの指定席は何とあの朝倉涼子の席に変わっていた。この朝倉涼子の登場は表紙にも巻頭カラーイラストにも出ているから驚き半減でちょっと残念だったかな。

 で、結局、おかしいのは1年5組だけじゃなく、キョン以外の全てだった。SOS団団員はどうかというと、まずハルヒは存在しない。古泉も1年9組ごと存在がなくなってるし、みくると長門は存在はしていたがキョンとは知り合いじゃないらしい。長門に至っては、頬を赤らめたりして普通の人間的反応までしたから驚きだ。

 

第2章 12月19日

 全く手がかりがつかめなかったキョンだったが、すっかり変わってしまった長戸の持っていた本に挟んであったしおりに、元の世界の長門が残したメッセージを手に入れる。

『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』

 意味分からん。。。

 それにしても、こっちの世界の普通少女版長門が本物とのギャップが大きくてたまらない。文芸部部室でキョンと二人きりになって緊張する長門はそれはもう萌え的にも最強クラスなんだろう。長門はどうやらキョンが好きなのか?単に男と二人きりってんで緊張してるだけなのか?

 

第3章 12月20日

 この世から存在自体が抹消されたと思っていたハルヒが実在することが発覚。元の世界でもそうだったが谷口と東中時代の同級生だったことは変わらなかった。谷口によればハルヒは光陽園学院という進学校に入学したらしい。ちなみに消えた1年9組の生徒も全員こちらにいるようだ。そして古泉も。

 この世界のハルヒも元の世界の彼女と全く同じ性格でキョンもひと安心。しかもあの三年前の七夕の記憶を共有していることも発覚。キョンのいた世界とはかなり違っているが、少なくともあの三年前の校庭メッセージ騒動からは地続きであることがはっきりした。

 ハルヒと古泉を連れて北高に戻り、みくる、長門も一堂に会した文芸部部室。すると突然旧式パソコンが起動し、あの本物の長門が仕込んだ緊急脱出プログラムが起動した。「鍵」というのはSOS団メンバーのことだったようだ。やっと元の世界へと戻れるのかと思いきや、今度はタイムトラベル(汗)

 

第4章 3年前の7月7日

 長門の緊急脱出プログラムで飛ばされた先は、なんと”あの”3年前の7月7日だった。またこの日か。まぁ、この日はハルヒワールドにとって特異日なんだろう。

 キョンはこの時間平面にいるはずのみくる(大)、そしてキョンとみくる(小)を3年間時間凍結した長門を頼り、この事態のからくりを知ることになる。

 それによるとこれはパラレルワールドではなくキョンの記憶以外のすべてを再構築した時空改変とのこと。そして長門が用意した再修正プログラムを持ち、みくる(大)とともに時空改変が起きる直前の12月18日早朝へと再びタイムトラベル。

 

第5章 12月18日早朝

 この時空改変の犯人は長門だった。3年前の長門が言うには、エラーの蓄積による潜在バグの顕在化が原因で、12月18日の時空改変は不可避だという。うーん、キョンや古泉が言っていた長門のちょっとした変化というのがここでいうエラーなのだろうか?

 キョンは長門による時空改変を見届けてから、3年前の長門にもらった再修正プログラムを打ち込むために姿を現す。そしていざ打ち込もうとしたところで、なんと朝倉涼子が乱入。キョンは呆気なく朝倉に刺されてしまう。しかしここでさらなる逆転劇が。意識が薄れるキョンの前に、もう一人のキョンとみくる(小)が現れた。どうやらさらに未来のキョンが朝倉涼子の凶行を止めに来たようだ。

 

第6章 12月21日

 病室で目を覚ましたキョン。しかし何故か刺されたはずの脇腹が無傷。その場にいたのは古泉から聞くところによると、どうやら12月18日に階段から転げ落ちて意識不明となったらしい。

 どうやらまだキョンが知る事実とは少し違っている。つまりまだクエストが残っているのだろう。まぁそれは朝倉に刺されたときに別のキョンがいたことで分かりきっていることだが。残念ながらこのクエストの詳細は描かれていない。いわゆる規定事項ということで省略されたんだろう。それとも今後別に描かれるのか?

 さてさて、キョンの転落事故では、さすがのハルヒも血の気が失せて動揺し、キョンの病室に寝袋を持ち込んで泊まり込んだようだ。さすがツンデレ姫。目覚めたキョンに速攻で憎まれ口をたたくところもナイス。

 しかし最大の見所はやはり長門との会話だろう。深夜誰もいなくなった病室にやってきた長門。どうやら今回の騒動で情報統合思念体が長門の処分を検討し始めたようだ。長門を介して情報統合思念体に猛抗議しようとするキョン。

 

キョン

つべこべぬかすならハルヒと一緒に今度こそ世界を作り変えてやる。あの三日間みたいに、お前(←長門のことね)はいるが情報統合思念体なんぞはいない世界をな。さぞかし失望するだろうぜ。何が観察対象だ。知るか

長門

情報統合思念体に)伝える。ありがとう

 

や、やべぇ、不覚にも号泣。

 

エピローグ 12月24日

 まだクエストは残しつつも、何とか元の世界に戻ったキョン。無事に終業式を迎え、SOS団クリスマスパーティを待つばかり。ハルヒに心配料としてトナカイ役になって芸をするよう言われたキョンだが、それすら今は心地良いようだ。非常識ハルヒワールドと常識世界の選択権を与えられ、自ら選んだ非常識世界。これまで脇役でいいと考えていたキョンだが、今回の騒動で当事者になる覚悟を決めたようだ。

 

 

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