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ネタバレ上等ブログ

うる星やつら 完結篇

うる星やつらの劇場作品の中でも1、2を争う人気作。実はうる星やつら劇場シリーズは、あまり見ていたわけでもなく、ちゃんと見たことがあるのは「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」くらい。

今回、シリーズ最高傑作という話を聞いたのでちょっと見てみたら、これがまた素晴らしかった。独特の世界観、ギャグとラブコメのバランス、作品全体を通して見事に仕上がっていると思った。最近のアニメ作品はよく知らないが、それらと比べても遜色ないんじゃないだろうか。

なお、本作品はテレビシリーズ終了後に原作最終話を忠実に映画化して公開した作品とのこと。鬼ごっこに始まって、鬼ごっこに終わった原作。その終わりの部分が本作品に当たる。

関連作品エントリ→うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー - zakky's report (試験中)



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(「ぴあ映画生活」より)
TVシリーズ放映終了後の公開作。監督は押井守やまざきかずおに続きベテランの出崎哲が担当。友引高校にラムの婚約者と称するルパという若者が現れ、ラムを闇の宇宙に誘拐する。あたるたちはランのUFOでそのあとを追い、ルパの幼なじみのカルラと手を組んで、ルパとラムの結婚式に突入。だがあたるとラムは、互いに意地を張り合い和解しない。しかもルパと仲たがいしたカルラのミスで、闇の国のキノコが大繁殖し、地球滅亡の危機を迎えてしまう。危機回避の方法はただ一つ。あたるがラムに“好きだ!“と言い、ルパの飼うブタにキノコを食べさせることだった。しかしあたるは告白せぬまま、最後の日が……。前4作と異なり、原作シリーズの最終話「ボーイ・ミーツ・ガール」が忠実にアニメ化されている。原作のファンからは好評を得たが、一方で、アニメ版独自のオリジナリティーを欠落させていることも否定できない。DVDタイトルは「うる星やつら 劇場版 完結篇」。


冒頭、ラムが不吉な夢を見る。怪しげな黒装束の男に連れ去られる夢だ。そんなシリアスなオープニングから始まるも、数分後には諸星あたるが道行く女性を軟派し、ラムがそれを咎めるいつもの雰囲気に。

しかし夢の暗示が現実となる方向に。コールドスリープ中に行方不明になっていたラムの曾おじいちゃんが20年ぶりに発見(発掘?)され、謎の黒装束の男がやってくる。どうやら、この曾おじいちゃんがラムを嫁にやると口約束してしまったのが原因らしい。この曾おじいちゃんのボケっぷりがたまらない。

黒装束の男ウパの策略で角が抜けて能力を失ったラムは闇の世界へと連れ去られてしまう。その闇の世界では見た目はあたるに似ているが、肌の色は褐色で、田舎なまりのある喋り方が特徴のルパがラムの許婚として待っており、結婚式の準備が進められていた。

一方、事態を知ったあたる、面堂、弁天、おユキらがランの宇宙船で闇の世界へと救出に向かい、ワープ中の出会い頭の事故などのトラブルもあったが、何とか問題の結婚式場へと辿りつく。あたるはそこでルパの幼馴染みのカルラと出会う。というか、ワープ中の事故の相手がカルラの宇宙船だったのだが、、、

このカルラの登場で事態がややこしくなる。カルラはルパを想っており、ルパはラムと結婚しようとする。ラムはもちろんあたるを想っており、こんな結婚はする気がない。あたるもラムを連れ戻そうとする。その上、またウパの策略でラムそっくりのコピー人形があたるの前に現れ、「お別れだっちゃ、うちはルパと結婚するっちゃ」と言い放つものだから、今度はあたるとラムの関係が悪化。あたるはルパから暴言を吐かれたカルラと共に地球に帰ってしまう。この4人痴話げんか状態がややこしくも何とも微笑ましい。

さて、地球に帰った面々が諸星家で作戦会議を開いていると、カルラが持ち込んだ熱や光で巨大化するキノコが夕飯の鍋に混入して巨大化。さらに翌朝には太陽の光を浴びて巨大化、増殖、、、とたちまち友引町を多い尽くしてしまう。しかもその増殖スピードから10日後には地球をも埋め尽くしてしまうとか。。。海も越えられるのか?

このキノコを除去するにはルパが所有するブタが必要とのことで、カルラはテレビ電話でルパに連絡をする。そこにあたるとラムも混じり、再び4人痴話げんか状態が勃発。交渉は暗礁に乗り上げるも、結局、あたるとラムが鬼ごっこで勝負し、10日以内にあたるがラムの角を掴んだらキノコ駆除のブタを提供するという話に落ち着く。あたるがラムに好きだと言えば鬼ごっこも終了という条件付きで。

いよいよ鬼ごっこの開始。キノコより高い飛行は禁止というハンデはあっても、空を飛べるラムを捕まえるのは容易ではない。あっという間に数日が過ぎてしまう。しかも意地の張り合いはさらに悪化し、ラムはこの鬼ごっこが終わったら自分を含めた宇宙生命体に関する全ての記憶を地球人から消滅させるという悲壮の決意を抱く。しかも記憶喪失装置の発動を止めに入った弁天が誤って装置を作動させてしまい、もう後には戻れない状況に。

そんな中、騒動の発端とも言えるルパとカルラが感動の仲直り。

「オラの嫁になれっつってのが分がらねぇのが、バガダレ!」
「バガダレとは何だ!なんでわだしがあんだの、、、え?」
「嫁に、、、来てけろ」
「ルパ、、、うわーーーん」

うーむ、仲直りの仕方はこっちの方が好きかな。

と、発端が無事に仲直りしても、本命の方はまだまだ鬼ごっこ中。嘘でもいいから好きっていう言葉が欲しいラムと、嘘か本当か分からないような状況でそんな言葉はを軽々しく言えない(普段はあちこちの女に言ってるくせに)と考えるあたる。この浅いようで深い男女のすれ違いに決着がつくのは鬼ごっこの最終日。ラムの抜けた角を大事に持っていたあたるを見たラムが根負け。「ダーリンの意地っ張り」「ラムのばか」「ゴメンだっちゃ」 かくして地球の存亡を賭けた世紀の鬼ごっこは、結局と好きと言わずに幕を閉じた。

そして最後の名ゼリフ

「一生かけても言わせてみせるっちゃ」
「いまわの際に言ってやる」

今見ても違和感なく見られる素晴らしい映画でした。


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