ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

読書

封印作品の闇

やっと読めた、、、『封印作品の謎』の続編。前作では作品自体に問題のあった例を取り上げていたが、今回は作品自体には何の問題もないのに、作品とは離れたところの事情で作品丸ごとが封印されてしまったものを取り上げている。分の悪い側が取材に応じない…

波乱の時代 特別版―サブプライム問題を語る

米国発の世界同時金融危機。この未曾有の世界恐慌のA級戦犯とも言われているのが本書の著者、前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏だ。 世界一の経済大国で金融政策責任者を20年も務めてきた人だから、まぁそう言われても仕方ないのかな、と。。。 た…

ホルモー六景

全長20cmという小さな身体に茶巾絞りの顔、「きゅるる」と鳴いて、「きゃあきゃあきゃあ」と囃し立てる。レーズンで”すぽぽっぽん”と体力回復して、「ぴゅろお」と消えていく、あのオニたちがまた帰ってきた。 『鴨川ホルモー』の続編、いや、サイドスト…

特命

本屋で見かけて気になっていた本。警察小説にハマっている自分の琴線に触れたんだけど、ちょっと期待ハズレ。。。 とにかく難しいのと、主人公が報われず、何か最後は巨大な闇に包まれ、うやむやにされてしまった感じ。主人公だけでなく、ここまでがんばって…

数学ガール/フェルマーの最終定理

★★★★★ 数学ガール/フェルマーの最終定理価格「数楽(すうがく)」に萌え、3人の女子(ミルカ、テトラ、ユーリ)に萌える2晩で一気に読みました(2時間×2=4時間程度)。このような数学の題材を一気に読ませる著者の筆力に脱帽します。女の子たちの言動にド…

ビート―警視庁強行犯係・樋口顕

今野敏の「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズ、第三弾。 一応これが三部作の完結編らしい。 前作に続いて家族愛をテーマにしているが、前作以上の感動作に仕上がっている。前作では樋口家の夫婦愛が作品テーマになっていたが、今回は樋口の同僚、島崎の親子…

震度0

『半落ち』、『クライマーズ・ハイ』と並ぶ、横山秀夫氏の超有名作品。 地方警察幹部の警察庁キャリアと地元ノンキャリアの暗闘を描いた警察小説。 単なるキャリア対ノンキャリという構図ではなく、キャリア同士、ノンキャリ同士も気を許さず、要するに幹部…

鴨川ホルモー

「ホルモー」という何とも言えない響きだけがずっと気にはなっていたんだけど、不思議と読む機会もなかったし、読む気にもならなかった。が、うーん、よく分からないが結局読んじゃった。これも「ホルモー」のお導きか。。。 予備知識ゼロで読めたのが良かっ…

切羽へ

★★★★☆ 切羽へ価格美しい作品二十歳そこらのガキが読んでも深く味わえない小説が直木賞を受賞して、喜ばしいことです。団塊の世代が大量にリタイアして、よき読者になることを期待すれば、この傾向がしばらく続いて欲しいと思います。 淡い色... 第139回直木…

朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕

★★★★☆ 朱夏 (新潮文庫―警視庁強行犯係・樋口顕 (こ-42-2))今野 敏価格オトナ向けかな夫婦、家族というのは不思議なものだ。特に日中外に出て仕事をし、また、夜も遅くなり、週末もなかなか家に居着かれないようなそんな、ご主人様と、奥さん、娘さんらのほか…

LAST

★★★★☆ LAST (ラスト) (講談社文庫)石田 衣良価格安全な場所にいることの絶対的安心感読みながら、時折こみ上げてくるこの苦しさはなんなのだろうか?そんなに苦痛になるなら、読まなければいい。読むことから逃げたいのなら、いっそこの本を投げてしまえばい…

自然の中に隠された数学

★★★☆☆ 自然の中に隠された数学 (サイエンス・マスターズ)イアン スチュアート価格数式のない複雑系科学の入門書物理学を筆頭とする従来の要素還元型の自然科学で取り扱うのが難しい問題がある。そういった問題の一部に対して、複雑系科学をはじめとする非線…

封印された『電車男』 (Love & Peace)

★★★☆☆ 封印された『電車男』 (Love&Peace)安藤 健二価格電車男の真実著者が電車男に関する長い過去ログをすべて読んだ努力には感心しました。確かに個人的な意見が含まれていないと言っては嘘になりますが、実際の電車男の行動や心のうちを論じているのはお…

死神の精度

★★★★☆ 死神の精度 (文春文庫 (い70-1))伊坂 幸太郎価格ここ何年かで最高!の短編集「死神」が主人公の、人の死にまつわる6編の短編集。6話しかない、読み終わるのが残念!と思った本は久しぶりです。音楽を偏愛し、クールで無敵で、会話も感性も普通の人と…

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕

★★★☆☆ リオ (新潮文庫 こ 42-1 警視庁強行犯係・樋口顕)今野 敏価格今までになかった刑事像展開が面白くどんどん読み進められました。結末はちょっとありがちな感じもしますが、それまでの過程がよかったです。 『隠蔽捜査』シリーズでお気に入りになった今…

陰日向に咲く

★★★★☆ 陰日向に咲く劇団ひとり価格爆笑問題太田光も大絶賛短編オムニバス形式で、それぞれの話がところどころリンクしている構成。笑いあり、涙あり、1つ1つの話にちゃんとオチもある。演出過剰でクサすぎる場面が多々あり、それをどうとらえるかで評価が変…

クライマーズ・ハイ

1985年に起きた御巣鷹山の日航機墜落事故を追った記者達の物語。単独航空機としては世界最大となる事故を目の当たりにした地元新聞社の混乱ぶりは凄まじい。特にNHKニュース速報、続けて共同通信ニュースが入った時の描写は何とも言えない臨場感。鳥…

封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで

★★★★☆ 封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫 F 66-1)安藤 健二価格「なぜ」に興味のある人にとっては読み応えあり封印(いわゆる放送禁止の意)作品の紹介ではなく「なぜ作品が封印されたのか」を追ったルポ。よって、取り上…

殺戮にいたる病

★★★★★ 殺戮にいたる病 (講談社文庫)我孫子 武丸価格アッと お ど ろ くそれにしても我孫子さん。器用な人だわwこの時系列バラバラの使いかたは巧いとしかいいようがない。まず9割の人は騙されるだろう。ただ難点をあげるとすれば、性描写が生々しいので途中…

サクリファイス

★★★★☆ サクリファイス近藤 史恵価格ヨーロッパの青空と乾いた空気が似合う,カラっとした作品3000m走で高校総体を獲りながら,勝利の期待を背負って走ることを嫌って自転車に転向した白石誓。この駆け出しのプロロードマンは,エースのために風を受け,時に…

悪果

★★★★☆ 悪果黒川 博行価格関西アウトロー黒川博行はもっと評価されていい作家だと思う。この作品は近年にないピカレスク小説。リアリティはそこいらのノンフィクションを蹴散らし、読者の頭の中で人物が動き回る。警察官がイイ人ばかりじゃないことは皆が... …

大人の科学マガジン Vol.19 ガリレオの望遠鏡

★★★★☆ 大人の科学マガジン Vol.19 ガリレオの望遠鏡価格気分はガリレオ!ガリレオ望遠鏡のレプリカ付き!!という魅力で購入!望遠鏡の筒はプラスチックかと思いきや厚紙を巻いたもので、台座はペットボトルに水を入れて重しにすると少々格好悪いが、レンズ…

私の男

★★★☆☆ 私の男桜庭 一樹価格父と娘読んで驚きました。嫌いな人もいるかもしれないですが、私は共感しました。これほど深い愛憎を生きる人間がこの世にどれだけいるか。どんなに苦しくても悲しくても浮かばれなくても、それだけで生まれてきた価値が... 主人公…

大人の科学マガジン Vol.11 ニュートンの反射望遠鏡

★★★★☆ 大人の科学マガジン Vol.11 ( ニュートンの反射望遠鏡 ) (Gakken Mook)大人の科学マガジン編集部価格先人の偉業を我が手に!!優れた光学ガラスの入手が難しかった当時、ニュートンは屈折式に見切りをつけ、凹面鏡を用いた反射式望遠鏡を開発しました。…

暗いところで待ち合わせ

★★★★☆ 暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)乙一価格奥が深い・・・人との交流を避けて生きようとする、盲目の少女と殺人犯(?)の男。でもやっぱり、ひとりでは生きていけないことに気づく。読後、自分は自分らしくていいと肯定されたようでした。乙一の作品…

鹿男あをによし

★★★★☆ 鹿男あをによし万城目 学価格ロマンティストは計画家。前処女作『鴨川ホルモー』と同じで主人公の顔が浮かびにくい。今回は名前すらない。そして心情もあまり描かれていない。この点がスバラシイ。心情は読者自身があれこれと想いをめぐらせればいいの…

大人の科学マガジン Vol.09 究極のピンホール式プラネタリウム

★★★★☆ 大人の科学マガジン Vol.09 ( プラネタリウム ) (大人の科学マガジン)大人の科学マガジン編集部価格教材としてはお奨めあの有名な大友さんが関係しているというだけでも興味をそそられ、つい子供のためという口実で購入してみました。工作は久しぶりで…

詩的私的ジャック―JACK THE POETICAL PRIVATE

森博嗣「S&Mシリーズ」第4弾。ハマってるシリーズなんだけど、今回はちょっとイマイチだったかなぁ。このシリーズは理系ミステリィと言われるだけあって、全体的に論理的な説明が多いんだけど、本作はタイトル通りちょっと詩的な感じ、文型的な要素が多…

失はれる物語

★★★★☆ 失はれる物語 (角川文庫)乙一価格なみだが自然と流れてきましたどのお話も好きですが、とくに幸せは猫のかたち が最高でした。電車の中ではらはらと泣いてしまいました 乙一特有の切なさとファンタジーがあふれる短編集。暗い性格の主人公が自分の妄想…

インシテミル

★★★★☆ インシテミル米澤 穂信価格閉鎖空間の疑心暗鬼 設定が少々強引だが、限定された条件で推理する楽しさを味わえる。心理実験めいた殺人ゲームだから、論理と謎解きが本作品のキモとなる。 中程まで読んで、はじめの、いわくありげな「モニターは…」の記…