ザキレポ

ネタバレ上等ブログ

読書

笑わない数学者―MATHEMATICAL GOODBYE

森博嗣「S&Mシリーズ」第3弾。なんかハマってる。。。 天才数学者天王寺翔蔵博士の住む三ツ星館で巨大オリオン像が消えるマジックと共に殺人事件が起きる。例によって犀川助教授と西之園萌絵がこの事件解決に挑む。 今回は事件の舞台となる三ツ星館の形…

グラスホッパー

伊坂幸太郎作品、ちょうど読了10作品目。殺し屋バトルロイヤルに巻き込まれた普通の青年の話。 妻を理不尽に轢き殺され、その復讐のために教職を捨てて悪徳非合法企業≪令嬢≫に潜入した主人公の鈴木。相手に自殺をさせる特殊能力を持つ自殺専門の殺し屋、鯨。…

冷たい密室と博士たち―DOCTORS IN ISOLATED ROOM

理系ミステリィ作家、森博嗣氏の「S&Mシリーズ」第2弾。『すべてがFになる』を読んでから少し間が空いてしまった。。。 今回も前作同様密室モノ。同僚の喜多助教授の誘いで局地環境研究センタ(局地研)での実験見学に来た犀川助教授と無理やりついてき…

果断―隠蔽捜査2

『隠蔽捜査』の続編。 前作で長男がヘロインを吸引するという不祥事を起こし、警察庁長官官房総務課長から警視庁大森警察署署長に左遷させられた竜崎。所轄に飛ばされても性格は変わらず、我が道を行くといった感じだ。 難しい判断を迫られても、与えられた…

隠蔽捜査

警察庁キャリア官僚が主人公の異色警察小説。主人公竜崎は東大法学部卒の警察庁キャリア。階級は警視正、役職は警察庁長官官房総務課長というバリバリのエリート。 それにしてもこの竜崎のキャラが強烈だ。原理原則を重んじるかなりの堅物で周囲からは変人呼…

そして殺人者は野に放たれる

★★★★★ そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)日垣 隆価格法とはこれほど理不尽か非常に辛辣な言葉で書かれている。あえて辛辣に書かれているのだが、反感は全く覚えない。ということは、現在の刑法がいかに私の感覚からかけ離れたものになっているか、とい…

警官の血 下巻

★★★★★ 警官の血 下巻佐々木 譲価格上巻がしっかりとした伏線になった。 上下巻に渡る佐々木氏の大作「警官の血」であるが、上巻がしっかりとした伏線を引いているので、下巻がしっかりと重厚なドラマとして生きてくる。 欲をいえば、さらにストーリーを先に…

警官の血 上巻

★★★★☆ 警官の血 上巻佐々木 譲価格内容が濃い!!内容がとても濃い作品です。警察官としての三世代の物語に終わらず、日本の社会、犯罪の歴史を交え、個人と組織の葛藤、そして祖父、父親死亡の謎、ラストの爽快感、一気読みの充実度120%。字数は、あまり多…

赤朽葉家の伝説

★★★★☆ 赤朽葉家の伝説桜庭 一樹価格何とも云えない読後感(もちろん満足感)ある家系をめぐる物語という意味では『楡家の人びと』や『ブッデンブローク家の人びと』の重厚さを若干彷彿とさせながら、一風変わった多彩な登場人物を巧みにあやつりつつ、一気に…

少女には向かない職業

★★★★☆ 少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)桜庭 一樹価格最大問題作山口県下関市の沖合の孤島に住む中学2年生の葵。学校ではおもしろキャラに専属するみんなの人気者的存在。そんな彼女の家庭環境とは。病気でアル中の義理の父。そんな彼の存在…

カカオ80%の夏

★★★☆☆ カカオ80%の夏 (ミステリーYA!)永井 するみ価格すっきり凪は高校2年生。クラスメートの雪絵に付き添って彼女の洋服を買いに行く。数日後、その雪絵が書置きを残して行方不明になる。凪は雪絵を探すが、その背後にあるものは・・・。いやぁ?爽快でした…

数学ガール

★★★★☆ 数学ガール 結城 浩価格ストーリーの秀逸さだけでなく、教える・教わる事へのヒントがたくさん詰まった書籍「数学ガール」は出版前から結城さんのWebサイト上で読んでいました。ストーリー展開の秀逸さもさるところながら、読み終わって思うのが「教え…

葉桜の季節に君を想うということ

★★★☆☆ 葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)歌野 晶午価格葉桜の季節にハードボイルドなイントロダクションから罠にはまります。トリッキーではないのですがやられた感のあるエピソードが全てネタバレを含みます。ただ作品の質と読みたかった…

半落ち

なかなか考えさせられるテーマだった。県警と検察の確執、現職警官の犯罪、マスコミの報道姿勢、骨髄バンクのドナー制度、アルツハイマー病などなど。ただ残念なのは、2時間弱の映画にまとめるにはちょっと押し込み過ぎ。かなりの消化不良。原作ならもっと…

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー (新潮文庫) posted with あまなつ on 2011.10.01 新潮社(2010-11-26)売り上げランキング: 1127 Amazon.co.jp で詳細を見る 伊坂の新作。ヤバイ鳥肌が。。。ホント参った。。。コレまで読んだ伊坂作品の中では一番良かったんじゃないか…

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER

妃真加島という孤島の研究施設を舞台にした密室殺人事件のストーリー。理系ミステリィ作家として有名な森博嗣氏のデビュー作品で、犀川助教授とその生徒の西之園萌絵の師弟コンビが事件を追う「S&Mシリーズ」全10作品の第1作目。 理系的なトリック要素は…

時間はどこで生まれるのか

時間はどこで生まれるのか (集英社新書) posted with あまなつ on 2011.03.21 集英社(2006-12-14)売り上げランキング: 43624 Amazon.co.jp で詳細を見る かなり哲学的で発想の転換を必要とする内容だった。ただ、説明は難しくなく、ロジカルで分かりやすく書…

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫) 殊能 将之 価格 巧妙な罠&二重のどんでん返し ミステリー小説といえば、専ら海外の作品しか読んできませんでしたが、この『ハサミ男』は読み応えがあり、とても面白かったです。 読者を巧みにミスリードしていく構成の妙、そしてラス…

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫) posted with あまなつ on 2011.06.06 文藝春秋(2007-04)売り上げランキング: 3087 Amazon.co.jp で詳細を見る これはスゴイ。まんまと騙された。。。この類の小説は何度か読んだけど、ここまで鮮やかで衝撃を受けたのは初…

クー/鏡面のクー

クー 竹本 健治 価格 凄い・・武本さんって言うと、類子×牧場シリーズが印象深かったりするのですけど、コレは打って変わって、SFバイオレンスです・・。おまけに凄まじい凌辱の嵐。なまじフランス書院の官能小説など及びもしないほどの筆力... 正直、何か…

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) 伊坂 幸太郎 価格 伊坂ファンになるのには十分な小説現在と過去(2年前)が交互に描写されているのが大きな特徴。なぜ現在と過去の登場人物に違いがあるのか、ストーリーが進むにつれて次第に分かってくる。特に…

平面いぬ。

平面いぬ。 (集英社文庫) 乙一 価格 おもしろい!乙一さんの作品はたくさん読ましてもらってますが、この作品は特におきにいりです!話の全部がおもしろかったのですが、私は一番「BLUE」というのが好きです。最後がとても切ない気持ちになります。読んだこ…

夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫) 恩田 陸 価格 恐るべしピクニックタイトルからまさかこんなにヘビーな学校行事の話とは思わなかった。ピクニックではない。競歩会という感じ。歩行祭の描写があまりにもリアルですが、著者はこんな体験を高校生活で送ったのかな?…

素数に憑かれた人たち

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~ John Derbyshire 価格 素数の意味の広がりを知らずに死んだらもったいないです 毎日数十ページをたどると頭の芯が疲れます。でもやめられなくなってしまいました。そしてやっと最後まで来ました。素数定理、リ…

夏と花火と私の死体

夏と花火と私の死体 (集英社文庫) 乙一 価格 主役は死体!? とにかく情景描写がリアルで、緊迫感がものすごい伝わってくる。読んでいくうちにはっきりと頭の中に状況が映し出されるようで、まるで自分がその場にいるような臨場感にハラハラさせられる。さら…

フィッシュストーリー

フィッシュストーリー 伊坂 幸太郎 価格 伊沢節は健在です人と人との連鎖の不思議さ、微妙にずれた登場人物たちなど、伊坂さんのいいところもいっぱい見られるので、ファンとしてはそれなりに楽しめた。が、やはり客観的に見ると、他の作品に比べてやや物足…

ビッグバン宇宙論 (下)

ビッグバン宇宙論 (下) サイモン・シン 価格 全ては前から全天に見えていた まず。”ビッグバン”という言葉を軽蔑の意味で使ったフレッドホイルの、報われないが価値のある人生は、映画のように印象的でした。 宇宙論を支える観測事実の全ては、人類が誕生し…

ビッグバン宇宙論 (上)

ビッグバン宇宙論 (上) サイモン・シン 価格 137億年を解明する3000年の想像と思考 書名を聞いたときに、訳者があとがきで語っているのと同じく、”なんで、いまさら、ビッグバンを。サイモンシンが?”と私も思いました。 「暗号」や「フェルマーの定理」のよ…

陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル) 伊坂 幸太郎 価格 こんな強盗団なら遭遇してみたい。他人の嘘が見抜ける男、完璧な体内時計の持ち主、天才スリ師、演説の名人。銀行強盗である4人が、べちゃべちゃとくだらない話をしながらトラブルに巻き込まれ…

心にナイフをしのばせて

心にナイフをしのばせて 奥野 修司 価格 理不尽さ少年法という無常1969年の高校生殺人事件、その後には酒鬼薔薇事件と言う同様な事件があった。内容については、アマゾンの説明でなされているのでここには書かない。加害者が更正して、今や弁護士事務所を経…